「Ruby 1.9.0」正式公開、新仮想マシンで高速化

 まつもとゆきひろ氏は2007年12月25日夜、オブジェクト指向プログラミング言語Rubyの最新版「Ruby 1.9.0」を公開した。新仮想マシン「YARV(Yet Another Ruby VM)」を搭載し、ベンチマークで2~10倍の高速化を実現したという。

 YARVは、Rubyスクリプトをバイトコードと呼ばれる中間言語に変換して実行する仮想マシンで、東京大学大学院情報理工学研究科特任助手の笹田耕一氏が開発。従来のインタプリタより大幅に性能向上している。

 Ruby 1.9.0は、このほかマルチバイト文字などで多言語対応した。一方で、ブロックパラメータや文字列、M17N-Unicodeの扱いなどを変更したため、従来バージョン「Ruby 1.8」とは互換性のない部分がある。今後、1.8系も安定版として継続保守する予定という。

 なお、最新版は当初「1.9.1」でリリースされる予定だったが、期待ほどの安定性を得られなかったことからバージョンナンバーが「1.9.0」になったという。【鴨沢 浅葱/Infostand】

Ruby 1.9.0 リリース
http://www.ruby-lang.org/ja/news/2007/12/25/ruby-1-9-0-release/