情報公開:「米政府系サイトの情報は、検索エンジンから見つけにくい」 NPOが改善を要求
米国の非営利団体CDT(Center for Democracy and Technology)は12月11日(米国時間)、米国政府機関のサイトでは、民間の検索エンジンから重要な情報が見つけられないという調査結果を発表した。政府機関が情報公開を進めているにもかかわらず、サイトの設計などに問題があるため、として改善を求めている。
米国では、IT活用による行政サービスの改善などを目的とする「2002年電子政府法」(03年施行)を機に、各政府機関は公式サイトへの情報掲載を進めている。しかし、CDTと、同じく非営利団体の「OMB Watch」が共同で実施した調査によると、多くの国民が利用する主要な検索サービスからは、適切な情報が検索できないケースが多く、「有益な情報が埋もれてしまっている」という。
報告書は具体例として、次のようなものを挙げている。▽「ニューヨーク 放射能」のキーワード検索では、連邦危機管理庁(FEMA)と国土安全保障省(DHS)による測定と現在の数値に関する基本情報が見つからない ▽「小規模 農場 融資」の検索結果には、民間ローンの宣伝や政府系融資の統計が列挙されるが、小規模農場向けの政府融資プログラムはほとんど表示されない――など。
こうした問題を改善するためにCDTは、電子政府法の順守を監督する行政管理予算局(OMB)は、民間の検索エンジンの重要性を認識し、検索ユーザーが情報を見つけやすくなるよう関係機関と協力すべきだと提案。また、各政府機関には、サイトマップを作成して、検索エンジンの「クローラー」(サイトのデータを取得する自動プログラム)に対応するよう要求。さらに、検索サービス企業には、可能な限り多くの情報が検索結果に反映されるよう改善することを求めている。【高森 郁哉/Infostand】
OMB Watch
http://www.ombwatch.org/
報告書(PDF)
http://www.cdt.org/righttoknow/search/Searchability.pdf