ReMootを使ってマルチメディア・アプリケーションを制御する
最初にReMootのサイトを開き、「Source Download」をクリックして最新バージョンの0.4を入手しよう。このソフトウェアは、PerlとRubyのスクリプトで構成されている。短時間のダウンロードが完了した後で、コンソールを開き、ダウンロード先のディレクトリに移動して、次のコマンドをrootで入力する。
tar zxf remoot-0.4.tar.gz cd remoot-0.4 chmod +x re* cp remoot* /usr/bin cp rewww00t* /usr/bin
ReMootを構成するスクリプトは3つある。基本remootスクリプトは、さまざまなマルチメディア・アプリケーションにコマンドを送り、remoot-remoteは、グラフィカルなコントロールを画面に表示する。rewww00tは、Webインタフェースを通じてPCを操作できる。remootを使うにはPerlが必要で、rewww00tを使うにはRubyが必要である。PerlまたはRubyがまだ使えない環境の場合、任意のパッケージマネージャを使ってperl、perl-Tk、rubyを入手する必要がある。また、Advanced Linux Sound Architecture(ALSA)も必要だが、これはたいていのディストリビューションに含まれているので、問題にはならないだろう。
ReMootが実際に動作するか、まずチェックしよう。愛用の音楽再生ソフト(AmaroKなど)を起動して、任意の曲の再生を開始する。コンソールで、コマンド「remoot volup
」と「remoot voldown
」を実行してボリュームを調節できるかどうかを確認し、さらに「remoot next
」を実行して次の曲に進めるかどうかを試してみよう。
Remootコマンド | 説明 | |
---|---|---|
remoot volup |
ボリュームを上げる。 | |
remoot voldown |
ボリュームを下げる。 | |
remoot mute |
サウンドをミュート(またはミュート解除)する。 | |
remoot play |
再生を開始する。 | |
remoot playpause |
再生を一時停止(または再開)する。 | |
remoot stop |
再生を停止する。 | |
remoot next |
次のトラックに進む。 | |
remoot prev |
前のトラックに戻る。 |
ReMootは、複数のプログラムをサポートし、すべてを同じコマンドで操作できる。たとえば、AmaroKで音楽を聴いているときも、xineやKaffeineでムービーを鑑賞しているときも、「remoot stop
」コマンドがプレイヤープログラムに与える効果は同じである。ReMootで認識できるプログラムを実行している限り、一貫した効果が得られる。この機能のおかげで、マルチメディア用のキーをキーボードに1組設定しておくだけで、どの音楽プログラムを使用しているときでも、キーの効果は共通となる。
ReMootで認識されるプログラム | ||
---|---|---|
AmaroK | Kaffeine | Quod Libet |
Aqualung | KMPlayer | Rhythmbox |
Audacious | KsCD | Totem |
Banshee | Listen | VLC |
Exaile | MPlayer | xine |
JuK | Noatun | XMMS |
ただし、コマンドを正常に機能させるために調整が必要なプログラムもある。期待どおりに動かない場合は、ReMoot wiki サイトで対処法を確認することをお勧めする。
ReMootは、複数のプログラムを同時に制御できる。たとえば、AmaroKの再生を一時停止している場合に、これを再開しようと「remoot playpause
」コマンドを実行したときも、動作中の他のプログラムが再生を開始することはない。AmaroKの一時停止だけが解除される。他のプログラムの再生を開始するには、手動でそのプログラムを再起動しないと、ReMootを使って制御できるようにはならない。
グラフィックインタフェースが好みであれば、remoot-remoteプログラムを使って、すべてのコマンドを実行できる簡潔なウィンドウを表示できる。実行中のプログラムがなんであれ、このウィンドウでボタンをクリックして再生中のプログラムに対してコマンドを実行できる。開発者によれば、将来のバージョンではテキストの代わりにアイコンが使われる予定だ。
”ギーク値”を高めたい人は、rewww00tプログラム(名前にはバージョン番号が含まれているので注意)を起動し、「あなたのURL:14300」に移動しよう。マルチメディアを操作するクリッカブルリンクが表示される。rewww00tを使うと、携帯電話やPDAからサーバに接続し(ただし、そうするにはファイアウォールのポートを開くなどの設定が必要)、世界のどこからでもボリュームを上げたり下げたりできる。
マルチメディア用のキーをプログラムする
スクリプトがインストールされ、正常に機能している状態であれば、マルチメディア用のキーを押して特定のコマンドをLinuxで実行できる。「XとKDEを使ってラップトップキーボードをカスタマイズする(英文)」と同じ手順を使って、次のキーを設定する必要がある。
- コントロールセンターを開く。
- 「Regional & Accessibility」タブをクリックする。
- 「Input Actions」オプションを選択する。
- 「New Group」コマンドを使ってグループを追加する(グループに”Multimedia”などの名前を付ける)
次に、プログラムするキーごとに以下の手順を繰り返す。
- このグループに新しいアクションを追加する。
- 「General」タブを開く。
- 「Action Name」フィールドにアクションの名前を入力する。
- 「Action Type」で「Keyboard Shortcut」の「Command/URL (Simple)」を選択する。
- 「Keyboard Shortcut」タブを開く。
- ボタンをクリックしてからマルチメディア用のキーを押す(ここではShift、Alt、 Controlなどの修飾キーを使用できる)
- 「Command/URL Settings」タブを開く。
- 適切なコマンド(たとえば「Volume Up」キーには
remoot volup
コマンド)を入力する。
これで作業は完了。ReMootを使うことで、マルチメディア用のキー操作は簡単かつ強力になる。
Federico Kerekiは、ウルグアイのシステム・エンジニア。20年以上にわたって、システム開発やコンサルティング業務に携わり、大学で講義を担当してきた。