Firefoxタブのセッション保存を可能にするSession Manager
Session ManagerはFirefoxのナビゲーションツールバー上に1つのアイコンとして配置されるが、インストールしただけでは表示されない。これを表示させるにはツールバーを右クリックしてCustomize(カスタマイズ)を選択し、Session Manager(セッションマネージャ)アイコンをツールバーにドラッグする必要がある。
この機能拡張の基本操作はごく単純であり、現在のセッションの保存は、先のアイコンをクリックして保存するセッション名を指定することで行える。逆に保存しておいたセッションに復帰するには、アイコンの右横にある矢印をクリックして表示されるリストから該当するものを選べばいい。ブラウザクラッシュ時に自動保存されるセッション名は、その日を示す日付が付けられるようになっており、ユーザが手動で保存する際のセッション名も現在アクティブにしているタブ名に日付が続くのがデフォルトの形式であるが、これらの名前は後から各自の好みの名称に変更することができる。その他、不要になったセッション情報の削除や、最近閉じたタブやウィンドウの履歴を追跡して後から復元させるという機能も利用可能だ。Firefoxが意図せず閉じてしまった場合や、ログアウト時に開きっぱなしになっていた場合は、その後Firefoxを再起動した時にSession Managerが復元可能なセッションの一覧を提示してくれる。
Session Managerの機能をすべて引き出すには、少し時間をかけてでも、そのオプション設定を把握しておかなければならない。例えば、毎日使用する特定のWebページが決まっているというユーザの場合、該当する全ページを登録したセッションを作成しておけば、それをFirefox起動時に一括で表示させるという機能がSession Managerには用意されている。同じくFirefoxを正常終了させる際に関しても、現状のセッションを自動で保存させるオプションあるいはユーザに確認した上で保存させるというオプションが指定可能だ。その他にも、セッション切り替え時に現在のウィンドウをすべて閉じさせたり、復元したページを自動的に再読込させるというオプションも用意されているが、こうした機能は特定の作業ページだけを復元させればいいだけのユーザにとって使用する機会はそれほど多くないかもしれない。
マシンの記憶容量に余裕が無いというユーザの場合は、クラッシュしたセッションの保存数や、各セッションごとに追跡する閉じたウィンドウとタブの最大数を制限するオプションも用意されている。その他、セッション切り替え時に最近閉じたタブおよびウィンドウの履歴を保存するオプションも用意されているが、この機能は長期間使い続けていると便利さよりも煩わしさが上回ってくるものではなかろうか。こうした機能が必要となるのは、かなり規模の大きいプロジェクトを行うような場合だけであろうし、大概のケースにおいて、そうしたプロジェクトが終了した段階でOptions(オプション)ウィンドウのUndo Close(開き直す)タブにあるClear List(リストを削除する)をクリックすることになるはずだ。実際問題として、後々再使用したいタブやウィンドウがあれば、それらを登録しておくための専用セッションを作成して使い分けることになるだろう。
上級ユーザ向きの設定としては、セッション名のデフォルトフォーマットやセッション情報の保存先をAdvanced(詳細)タブにて変更することができる。このタブにはプライバシー保護の観点から、保存するセッションに暗号化を施すかのオプションも用意されている。ただしこのタブの説明文でも警告されているように、暗号化したセッションを開くことができるのはkey3.dbおよびcert8.dbファイルが共通するプロファイルのFirefoxユーザだけであり、その際にはマスタパスワードの確認が必要になることもある。
Session Managerの基本機能は、関連する複数のタブを1つのグループとしてブックマーク保存する操作を自動化し、その種の作業を手動で行う負担を解消してくれるという意味で、一種のブックマーク拡張ツールと捉えることも可能である。また意図せずFirefoxが閉じてしまった場合において、ブラウザの履歴機能を使って作業環境を復元するような手間を省いてくれるのも便利だ。Firefoxタブのヘビーユーザであれば、私と同様、この機能拡張を手放すことができなくなるだろう。
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Bruce Byfieldは、コンピュータジャーナリストとして活躍しており、Linux.com、IT Manager’s Journalに定期的に寄稿している。