迷惑メール:音声を使う新手口 プレスリーの曲を装う

 英Sophosは10月18日(現地時間)、迷惑メールの新手口で、文章の代わりに音声を使うタイプに警戒を呼び掛けた。MP3形式の音声データが添付されており、エルビス・プレスリーなどの曲であるように装うが、再生すると女性の声が流れ、未公開株を推奨する。株価のつり上げを狙ったとみられる。

 メールはタイトルも本文も空白のままで、MP3ファイルを添付している。プレスリーのほか、女性歌手のファーギーなど最近のアーティストの名前も悪用。ファイル名を「elvis.mp3」「fergie.mp3」などとして、音楽に見せかけていた。

 再生すると、身元が分からないように加工された声が流れる。「投資速報」などと称して、米国の未公開株市場で取引されている銘柄を推奨。「新規事業の大成功が予想される」などと、買いをあおっている。時間は30秒、Sophosはウェブサイトで音声データを公開した。メールの発信者は安値で株を買っておき、値が上がったところで売り抜けるつもりだったとみられる。

 最近の迷惑メールは、対策ソフトに検知されないように、本文の部分に文章を書くのを避ける傾向が強まっている。文の代わりに、「文章が書き込まれた画像」を表示する手口が最も多いが、音声を使うタイプも現れた。文章だけよりデータが大きいため、対応に悩まされそうだ。【南 優人/Infostand】

添付されていたMP3ファイル
http://www.sophos.com/images/sounds/stock-spam.mp3