IntelベースLinuxユーザの電気料金節約に貢献する新規サイト

 IntelのOpen Source Technology Center(OSTC)が立ち上げたLessWatts.orgというWebサイトは、Linuxユーザが最大限の節電をする際に役立つはずである。このサイトにホストされているのは各種のオープンソース系プロジェクトであり、バッテリ駆動型のポータブルデバイスから大規模なデータセンタに至る様々なハードウェアの電力消費を最適化するためのノウハウが紹介されている。

 「私どもがLessWatts.orgを作成した目的は、Linuxを利用している多種多様なデバイスや業務分野において、効率的な電力管理を達成するためのテクノロジ開発および情報共有の促進をするためです」とプレスリリースにて語っているのは、IntelのSoftware and Solutions Groupのジェネラルマネージャであり同社副社長を務めるRenee James氏である。

 先のWebサイトには「LessWatts.orgに営利活動の意図はなく、特定の製品を販売することも、ベンダ間の比較をすることもありません。LessWatts.orgの目的は、コンピュータ上でLinuxを使用するユーザが消電力化を達成するための情報を提供することです」との説明が掲示されている。

 IntelがLinuxユーザの節電活動に協力する姿勢を見せたのは今回が初めてのことではない。同社はこの5月、各プロセスごとの電力消費履歴を追跡するためのPowerTOPプログラムを立ち上げている。「PowerTOPは省電力化の分野において非常に大きな貢献をしてきました」と開発者の1人であるArjan van de Ven氏は語り、PowerTOPのメーリングリストにおけるLessWatts.orgの紹介文において「そして今回、より広範な視点(ラップトップCPUのアイドル化を妨げている問題の解決以外)で省電力化を進める新規のプロジェクトが登場した訳であり、既に多数の人間が同プロジェクトに参加しています」と説明している。

 この新規構想にはPowerTOPだけでなく、“tickless idle”機能のようなLinuxカーネルの拡張機能や、Linuxコードの変更が節電量に及ぼす影響を計測するLinux Battery Life Toolkitなどのプロジェクトもいくつか取り込まれている。今回開設されたサイトでは、Intelプラットフォームに現在および将来的に実装される省電力化機能に関する情報も紹介されており、無線カードやグラフィックカードを始め、プロセッサやディスクに至る各種のデバイスにおいて電力消費を削減するためのヒントを調べることもできる。

 Intelがメンバの1人となっているLinux Foundationでは、LessWatts.orgと同様の目標を掲げたGreen Linux構想を推し進めているところである。またIntelは企業レベルで運営されるデータセンタの節電化を目的としたGreen Gridというコンソーシアムにも参加している。

Linux.com 原文