IBM、OpenOffice.orgの開発に飛び込む
プレスリリースに添えられたPress FAQによると、OpenOffice.orgの開発を助けるIBMの動きは、このプロジェクトへの非公式な協力の自然な延長なのだという。「IBMは市場がODFを大いに要求するようになると見ていた。およそ1億の人たちがこの製品を使用しており、どこの政府もこちらに方向転換しつつある。ODFとOpenOffice.orgの両方の人気と普及度が現在のレベルまでくれば、IBMもOpenOffice.orgも協力によってさらに大きな成果を上げられるものと確信する」とプレスリリースは伝えている。
IBMは同社の中国開発センターに所属している35人の開発者をOpenOffice.orgの専任要員として投入した。彼らの書くコードは、いずれOpenOffice.orgの可用性、アクセシビリティ機能、および全体的な質を高めるのに寄与するだろう。IBMは手始めとして、iAccessible2アクセシビリティツールなど、IBMがLotus Notesの一部として開発してきたコードを提供することになるだろう。
OpenOffice.orgコミュニティの管理者であるLouis Suarez-Pottsは次のように言う。「どんな新メンバでもそうですが、分散コミュニティで一緒に仕事をするためのプロセスとプロトコルを知ってもらうことが大事です。OpenOffice.orgはIBMの開発者がいる北京で既に仕事をしています。私たちが北京にいること、そしてRedflagとの現在の協力が大いに助けになるだろうと期待しています」
今年発表されたFAQに書かれているように、iAccessible2はブラウザやソフトウェアの画面に何が起きているのかをユーザ補助テクノロジ(視覚障害のあるユーザが使用するスクリーンリーダーなど)に知らせるインターフェイスである。これによって、視覚障害のあるユーザが図表、メニュー、画像、ポップアップ、ハイパーリンクなどに埋め込まれたテキストを理解しやすくなる。
FAQには、このコードがFree Standards Group(現在はLinux Foundation)に進呈されたこと、そしてOracle、Sun、SAPといった企業が仕様のさらなる拡充への協力を明言したことも書かれている。「MozillaはこれをFirefoxブラウザに取り入れると明言しており、スクリーンリーダーのベンダであるGW MicroとFreedom Scientificも自社の製品でこれを使用するだろう。IBMもODFをサポートしているLotus Notesの生産性エディタでこれを使用することになる」とリリースは付け加えている。
このインターフェイスがOpenOffice.orgに取り入れられれば、ODFが政府機関にもっと注目されるようになるだろう。多くの場合、政府機関は障害を持つ人たちを含め、すべてのユーザが利用できるテクノロジを購入する必要があるからだ。
この発表が行われる数日前、MicrosoftのOffice Open XML(OOXML)形式は5か月の投票期間中に必要な数の賛成を得るのに失敗している。