Lifereaで処方するコンテンツ中毒患者への緩和薬

 私はここ最近、以前ほどWebブラウジングに長時間を費やすことは無くなったが、これもすべてLifereaという、オンライン上の新着ニュースフィードを自動収集してくれるLinuxベースのアグレゲータソフトのおかげと言っていいだろう。

 ニュースアグレゲータとは、Webページ上に掲載されるコンテンツを自動で収集してくれるアプリケーションのことである。従来型の操作方式では、ブログにしろニュースにしろメディアプレゼンテーションにしろ、ブックマークしておいた個々のアドレスに手作業でアクセスするしかなかったが、LifereaにRSS/RDFAtom配信フォーマットを登録しておけば、該当する新着ニュースフィードをコマンド1つで一括収集することができる。当然ながらこの処理が行えるのは、これらの配信フォーマットをサポートしているWebサイトに限られるが、この種のフォーマットは最近では大方のサイトでサポートされているはずだ。

 Liferea本体のインストール手順は簡単である。有名どころのLinuxディストリビューションであれば、たいていは専用リポジトリに収録されているので、クリックないし簡単なコマンド操作をするだけでインストールできるようになっている。自分が使用しているディストリビューションのリポジトリにLifereaが収録されているかを確認する際には、Lifereaプロジェクトから公開されている対応済みディストリビューションパッケージの一覧が参考になるだろう。このリストに登録されていなかった場合は、最新ソースのtarボールを取得してから通常の手順でソースからバイナリをコンパイルすればいい。

tar xvfz liferea*
cd liferea*
./configure
make
make install

 インストールが正常に終了すると、ApplicationメニューのInternet → Liferea Feed ReaderからLifereaが使用できるようになる。

 Lifereaを使用するに当たっては、まず最初に購読用のフィード情報を登録しておく必要がある。この指定では、フィード用URLそのものを直接入力することもできるが、ベースURL(linux.comなど)だけを指定してautodiscovery機能により自動検索させることもできる。この機能は配信フォーマット形式のURLが分からない場合に重宝するはずだ。

Liferea
Liferea(クリックで拡大)

 Lifereaでは通常のニュースフィード以外にも、Gmailのアカウントを登録することもできる。これを行う場合は、New Subscriptionダイアログボックスを開いて「https://mail.google.com/mail/feed/atom」というURLを登録すればいい。その後、各自がGmailで使用しているユーザ名とパスワードの入力を行うと、自分のアカウントに届けられたメッセージが表示されるようになる。ただしLifereaの場合、こうしたユーザ認証用の情報は~/.liferea_1.2/feedlist.opmlファイルにプレインテキストで保存されるだけなので、その点は注意が必要だ。

 自分のコンピュータ環境ではセカンドマシンも活用しており、そこでもLifereaを同じ設定で利用したいというケースもあるだろう。そうした場合に必要な操作は、メインマシンからfeedlist.opmlファイルをエクスポートして、セカンドマシンにインストールしたLifereaにインポートするだけである。具体的な操作としては、LifereaのFeedsメニューにあるImport Feed ListおよびExport Feed Listというコマンドを使えばいい。

 登録した購読フィードに関しては、ドラッグ&ドロップ操作によるフォルダ単位での整理をすることができる。購読サイトがある程度の数に達したら、blogs、news、comicsなどのフォルダを作成して整理するようにすればいいだろう。

 Lifereaの取得したフィードテキストは、閲覧用パネルに(画像込みで)表示される。取得したフィードのオリジナルURLにWebブラウザからアクセスするには、2つの選択肢がある。Lifereaのデフォルト設定では、フィードをダブルクリックすると、各ユーザのデフォルトWebブラウザが自動的に起動して当該ページが表示されるようになっている。こうしたWebブラウジングもLiferea内で一括処理したければ、Lifereaの動作設定でMozillaブラウザモジュールを使用するように指定しておくと、フィードのダブルクリックによって当該ページがLiferea上に表示されるようになる。そのための指定としては、設定画面のBrowserタブにあるOpen links in Liferea’s windowsオプションをオンにしておけばいい。

 登録した多数のフィードの中から特定の情報を検索したいというケースも出てくるかもしれない。Lifereaにはフィードの検索機能が装備されているので、その種の操作も簡単に実行できるようになっている。検索結果は、そのままフィードパネルに出力させることも、新規フォルダに出力させることも可能だが、その場合はSearchボタンを押す前に出力先を指定しておく必要がある。

 Lifereaの運用形態としては、システムトレイに常駐させておき、フィード取得をユーザの指定間隔で定期実行させることも可能だ。新着のフィードに関しては、トレイアイコン上でポップアップウィンドウによる通知が行われる。

 Lifereaのインタフェースは操作性の面でも優れており、この種のソフトウェアに求められる各種の機能が簡潔にまとめられている。LifereaというアプリケーションはユーザのWebライフを一変させるだけの可能性を秘めていると評しても過言ではないだろう。

NewsForge.com 原文