NEC、IP電話や動画処理も行えるシンクライアント・システム

 NEC(矢野薫社長)は、デスクトップ型などのシンクライアント端末とシステムの初期導入費用を従来よりも大幅に抑えることができるオールインワンサーバーセットで構成する仮想PC型シンクライアントシステムを開発、日本・北米・欧州で販売活動を開始した。

 システムはシンクライアント端末はデスクトップ型端末「US100」、モバイルノート端末「US50」を用意。シンクライアントサーバーにはサーバー機能プリインストールモデル「Express5800/VPCC 仮想PCサーバ」、管理機能セットモデル「Express5800/VPCC管理サーバ」を揃えた。

 デスクトップ型端末「US100」は幅15.5×奥行き10.4×高3.4cmで、従来のPC並みの滑らかな動画処理やIP電話が使用できる機能を1チップに収めた新規開発のシステムLSIを搭載。IPテレフォニーサーバー「UNIVERGE SV7000」と連携することで、高品位な音声通話ができる。音声送受信は、サーバー仲介せず、「US100」同士で直接行う設計のため、サーバーの負荷具合で音声品質に影響が出ないのが特徴。

 モバイルノート端末「US50」はCPUにPentium M 753(1.20GHz)を搭載。OSはWindows XP embedded。BTOでメモリは256か512MBを選べるほか、無線LAN機能を装備することもできる。B5サイズで重さは1Kg。

 NECでは企業の既存システムにも導入できるよう、ROMの仕様設計やカスタマイズ、検証などを行うサービスも提供する。サービスを利用すればUSBキーでサーバーに自動接続したり、モバイルカード・無線LANサービス経由でのサーバーにアクセスすることが可能。

 「Express5800/VPCC 仮想PCサーバ」は最大20台の仮想PC型シンクライアント端末を稼動させるサーバーに必要なミドルウェアとクライアントOSをプリインストール。短期間で低コストでのシンクライアントシステムの導入ができるようにした。

 一方、「Express5800/VPCC管理サーバ」では仮想PC型シンクライアントシステム全体を集中管理し、アプリケーションの追加やセキュリティパッチの適用などを一括して実行する管理サーバーに必要なミドルウェアをセットにした。そのため、導入後の運用管理コストの大幅削減が可能だという。

 NECでは、新仮想PC型シンクライアントシステムを中心にした「クライアント統合ソリューション」の販売を拡大。今後3年間には1500億円の売り上げを目指す。

NEC=http://www.nec.co.jp/
「VirtualPCCenter」=http://www.nec.co.jp/clsol/?press/

提供:BCN