理研、ゲノムデータベース検索ソフトをオープンソースで公開

 独立行政法人理化学研究所は、同研究所で開発したゲノムデータベースの検索ソフト「オミックスブラウズ」を2006年11月1日、オープンソースで公開した。ゲノムの膨大なデータ量でも表示範囲の制限を受けず、ゲノム地図の全体像を俯瞰できるのが特徴。ライセンスはGPL。

 ゲノム上に存在する遺伝子などのさまざまな情報に関するデータベース群を同時に検索して可視化するソフトで、膨大なゲノムデータを統合するデータサーバと、ゲノム地図を可視化できるビューワで構成される。

 データサーバはMySQLとJavaサーブレット、設定ツールからなり、複数のデータベースを連携させて膨大なデータも分散配置できる。また、複数のデータベースへのアクセスを1回にまとめて行うため、データ増に伴うネットワーク負荷を軽減できる。

 ビューワはFLASHを使って作成してあり、ゲノム情報をベクター画像で可視化して表示し、全体像の俯瞰から注目する局所部分の拡大まで連続的に画面移動可能。従来のゲノム検索ソフトでは表示データが多い場合は全体像を俯瞰できないことが多かったという。

 ソースコードのほか、使い方マニュアル、設定ツール、ヒト、マウス、ナズナ、線虫などのデータコンテンツをWebサイトで提供する。理化学研究所では研究目的のほか、企業によるビジネス利用などにも期待しているという。【鴨沢 浅葱/Infostand】

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