元Novell CEO、レイ・ノーダ氏が死去──ネットワーク・コンピューティングの黎明期を支える
同氏がNovellを退社後に専念したベンチャー・キャピタル会社、米国キャノピー・グループの声明によると、同氏は、長きにわたるアルツハイマー病との闘病生活の末亡くなったという。
ノーダ氏はNovellにおいてネットワーキング・ソフトウェア「Netware」の後ろ盾となり、同社を1990年代半ばまでにIT業界の主要プレーヤーにまで成長させた。
キャノピーによると、ノーダ氏は、テクノロジーが世界中のビジネス・コンピューティングを結び付けるために果たす役割について独自のビジョンを持っていたことから、「ネットワーク・コンピューティングの父」として広く知られた。
ユタ州知事のジョン M.ハンツマン氏は声明で、「レイはユタ州のテクノロジー部門の基礎を築いた。われわれが今あるのは、記念碑的遺産を残した彼のおかげだ。(彼の死は)心から惜しまれることだろう」と語った。
Novellの共同創業者、ドリュー・メジャー氏も、声明で次のように述べている。
「ノーダ氏は、Novellの全従業員にとって偉大な指導者であり、われわれに成長する機会を与えてくれた。誠実な人柄で、Novell創成期の数年の間に信頼を築き上げ、われわれに世界を変える力をつけてくれた。パートナーを組んだ人々だけでなく、競争相手からも尊敬され、高く評価された。彼は、コンピュータと人と会社をつなぐという掛けがえのない財産を残した」
ノーダ氏は、1949年にユタ大学で工学士の学位を取得し、電器技師として米ゼネラル・エレクトリック(GE)に入社。同社に21年間勤務したあと、Novellを設立した。設立当初、従業員数わずか17人だったNovellは、ノーダ氏の指揮の下、1万2,000人を超える大企業へと成長した。
なお、ノーダ氏は熱心な篤志家でもあった。同氏はこれまでに、エンジェル・パートナーズ、ワース・オブ・ソウル財団という2つの団体を設立し、慈善活動を行っていた。
(トッド R.ワイス/Computerworld オンライン米国版)
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