態度の悪いITスタッフへの対応

あなたの職場はJerry Springerが司会を務めるショー(男女の修羅場を扱ったテレビ番組)のように混沌とした状態に陥っていないだろうか。ITスタッフが持つパワーと感受性は、実力の発揮を支える要因であると同時に、最近インストールしたサービスパックと同じくらい移ろいやすい心情の変化を助長し、ITスタッフをキレさせる要因にもなり得る。ITマネジメントの職を得た際、こうしたジレンマに日常的に直面するなどと考えたことがあっただろうか。あなたは技術系マネージャとして、職場を悲惨なメロドラマの舞台にすることなく、プロフェッショナルが望む創造的な自由をどのように提供していけばよいのだろうか。

社員が明らかに礼を失した言動をとったとき、おそらくITマネージャが最初に口にする台詞は「彼が私にこんな態度をとるとは思いもしなかった」というものだろう。しかし、「態度の悪い」ITスタッフに対応する前に、その出来事が、チームの実力を引き出す人材の多様性にも似た、普段の単なる機嫌の変化によるものでないことを確かめておくことだ。また、外に出て建物の周りを散歩すれば、社員の驚くべき言動を一時的に忘れさせてくれる時間と景色が得られるが、実際にはそんなことをしても何の解決にもならない。

ところでJeff Foxworthy(コメディアン)とEmily Post(礼儀作法の大家)の全キャリアは、普通の人は与えられた状況にふさわしい振る舞い方を知らないという考え方に基づいて構築されたものである。職場のイメージを損なうような電子メールを送っても、その内容が読み手にどのような印象を与えるのかがわからない社員もいれば、おそらく以前の職場の上司からも意見要望の類は積極的に歓迎するという方針を幾度となく聞いているはずなのに、給与の引き上げ交渉を適切な手順を踏んで行えない社員もいるのだ。にもかからわず、正しい判断ができなかったという理由で誰彼かまわず罰していたら、刑務所は世情に疎い受刑者であふれ返ってしまうだろう。建設的なフィードバックを返せないのは、まるでドレスの裾をストッキングの中に入れた女性を舞台に送り出すようなものだ。

親であれば、子供がハロウィンのキャンディよりも自分たちの関心を必要としていることを知っている。我々は皆、単に背丈が伸びて年をとっただけの子供なのである。態度のよくない社員に叱責を与える代わりに、スタッフミーティングで最近の成果を見せてほしいと頼むなど、相手に関心を寄せることによって、気分の一新を図り、言動を改めさせることは可能である。

社員の一貫性を欠いた言動に手を焼いている場合、その原因が職場の内部にあるとは限らない。前述のテクニック(些細なことは気にせず、建設的なフィードバックを与えて軌道修正を行う)を試しても改善が見られないときには、会社に社員支援プログラムのようなものがあれば、その紹介を検討してもよい。そうすれば口先ばかりの評論家の役割に縛られることはなくなる (ある社員をこっぴどく叱りつけた後、実は彼の子供が重い病気を患っていたことがわかったときにはひどく後味の悪い思いをするはずだ)。

最善を尽くしたにも関わらず、手に負えないほど社員の言動が悪化して懲戒処分が必要になることもある。こうした処分の実施が難しいのは、表沙汰にならないように配慮しなければならないからだ。その一方で他の社員(あなたが同僚より一足先に昇進した場合は、以前の友人も含まれるかもしれない)は何かよくないことが起こっていることを察し、あなたのことを器の小さい人物だと判断するかもしれない。そんなときは、自分の部署を(さらなる)混乱から守るために最善を尽くしたのだと自らに言い聞かせて気分を楽にするしかないだろう。

Donna Davis氏は、ノースカロライナ州にある地方行政機関の経営情報システム(MIS)部門でマネージャを務めている。

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