Oracle、Itanium 2を正式サポート──ソフトウェア動作保証を開始へ

 Oracleはまもなく、Itanium 2ベースのサーバ・プラットフォームにおける自社データベース・ソフトウェアの動作保証を開始するもようだ。9月25日にサンフランシスコで開催された業界団体Itanium Solutions Alliance(ISA)主催のイベント「Itanium Solutions Summit」に参加したOracleの代表者が明らかにしたもの。

 今回のOracleの動きは、最近徐々に勢いが出てきたものの、サーバ市場において今なお苦境に立たされているItaniumプロセッサ・ファミリーへの支持拡大という意味合いがある。業界アナリストのチャールズ・キング氏は、「今回のOracleの発表には、Itaniumに対する激励の意味も込められているのではないか」と指摘する。

 Itaniumプロセッサ・ファミリーは、Intelとヒューレットパッカード(HP)が開発した。しかし、ハイテク業界を代表する2大企業が後ろ盾になったわりには、当初、Itanium上で稼働するソフトウェア・プログラムの数は比較的少なかった。

 ISAのメンバーはこの日、2,000社の独立系ソフトウェア・ベンダーが提供する1万種類のソフトウェアが、Itanium 2デュアルコア・プロセッサ上での動作が保証されていると発表した。「Montecito(開発コード名)」と呼ばれる同プロセッサは、今年夏に発表されたItaniumプロセッサ・ファミリーの最新版である。ちなみに、ISAが設立した2005年9月の時点で、Itanium互換のアプリケーションの数は5,000種類にとどまっていた。

 Oracleは今回の発表で、Itaniumへのサポート強化を繰り返し強調した。同社の広報担当者、イーロイ・オンティベロス氏は、Oracleデータベース・ソフトウェアとFusionミドルウェア製品の次期メジャー・リリースについても、各種OSに対応するバージョンで動作保証を行う予定とした。

 Oracleのサーバ・テクノロジー部門担当バイスプレジデント、プレム・クマー氏によると、Itaniumへのサポートを強化するという今回の判断は、「顧客に対して多彩な選択肢を提示するという当社の伝統に従ったもの」としている。

 業界アナリストのジョー・クラビー氏は、「OracleにとってItaniumのサポートは避けては通れないことだ」と語る。米国クラビー・アナリティックスの社長である同氏は、OracleがHPのテクノロジー・パートナーの中で最も有力なメンバーであり、HPはItaniumの最大の支援者であるという事情を指摘した。なお、同氏によると、市場に投入されているItaniumサーバの80%はHPブランドだという。

 また、米国プンドITリサーチのキング社長は、「Montecitoが市場投入されたことで、ItaniumはHPユーザーの間で成功を収めつつあるが、IBMのPowerアーキテクチャやSun MicrosystemsのSPARCといったライバルからシェアを奪うまでには至っていない」と指摘している。

 こうした指摘を受けて、ISAは米国IDCの調査データを引用し、Itaniumは勢いを増しつつあると反論している。それによると、Itaniumベース・システムの2006年第2四半期の売上高は、前年同期比36.4%増の7億4,000万ドルを記録したという。また、IDCは、今年2月に発表したリポートで、2005年時点で24億ドルだったItaniumサーバの市場規模は、2009年までに66億ドルに達する見通しとしている。

(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)

提供:Computerworld.jp