CLIマジック:YouTubeの閲覧をもっと楽しく
youtube-dlはPythonのスクリプトで、「非コピーレフト」のMIT/X11ライセンスによるフリーソフトウェアだ。プラットフォームには依存していないので、最近のPython ― バージョン2.4以降 ― さえインストールされていればLinux、Mac OS X、Windowsのどの環境でも実行できる。
インストールするには、まずブラウザにこちらのページを表示させ、そのページをハードディスクに保存する。それが終わったら、正しいバージョンが保存されたことを確認するためにダウンロードページのMD5チェックサムをチェックする。システムにはすでにmd5sumがインストールされていることを前提にすると、コマンドラインで次のコマンドを実行すればよい。
md5sum youtube-dl
すると、次のように出力されるはずだ。
faae21b5ffaa31a6ee5f06b77226d4ed youtube-dl
これは先ほどのダウンロードページに対するMD5チェックサムであり、このとおりに出力されていれば次の手順に進む。ただし、プログラムがアップデートされると、当然このMD5チェックサムも変わることになるので注意すること。
次の手順では、このファイルを実行可能形式にする。ダウンロードした段階ではyoutube-dlのパーミッションは”-rw-r–r–“になっているはずだが、このままでは実行できない。所有者に対して実行可能にするには、このファイルが存在するディレクトリをカレントディレクトリにした状態でコマンドラインから次のように入力する。
chmod 744 youtube-dl
最後に、rootとしてこのスクリプトを/usr/binのような個人用のパスに移動させる。インストール作業は以上だ。
使い方も簡単で、youtube-dl
の後に取得したい動画のURLを入力するだけでよい。
$ youtube-dl https://www.youtube.com/watch?v=p_YMigZmUuk Retrieving video webpage... done. Extracting video URL parameters... done. Retrieving video data... 4590k of 4590k done.
-o
オプションを使ってファイル名を指定しない限り、動画ファイルは動画ID.flvというファイル名で保存される。たとえば、動画のURLがhttp://youtube.com/watch?v=5Da9sc6YDBoの場合、動画IDは5Da9sc6YDBoである。
取得した動画ファイルはMPlayerか、ffmpegに対応したその他のビデオプレイヤーで再生できる。youtube-dlのページにはVLCでも動作すると書かれていたが、私の環境では保存した動画を再生できなかった。
youtube-dlにはいくつかの簡単なコマンドラインオプションがある。すべてのオプションを表示するには、次のようにyoutube-dl -h
を実行するとよい。
$ youtube-dl -h usage: youtube-dl [options] video_url options: -h, --help print this help text and exit -v, --version print program version and exit -u USERNAME, --username=USERNAME account username -p PASSWORD, --password=PASSWORD account password -o FILE, --output=FILE output video file name
保存する動画ファイル名の変更が可能な-o
オプションのほか、一部のコンテンツのダウンロード時に必要となるYouTubeのユーザ名およびパスワードを指定できるオプションもある。
説明はこれくらいで十分だろう。とにかくyoutube-dlはビデオ鑑賞をますます楽しくしてくれる、コンパクトで無駄のない非常に便利なツールだ。