Mozillaがユーザコミュニティにテストへの参加を要請

カレンダーアプリケーションSunbirdおよびLightningのアップデート版リリースを控えたMozillaでは、カレンダープロジェクトの開発者がユーザコミュニティに最終テストへの参加を求めている。Mozillaは8月8日をTest Case Writing Day(テストケース作成の日)として宣言し、この企画には世界中のユーザが自由に参加できる。

参加者は、それぞれのプログラムのスケジュール機能や印刷、検索、デバイス同期に至るまでの任意の機能に対するテストケースを送ることができる。これまでにテストケースを書いた経験のない人でも参加でき、この日はずっとirc.mozilla.orgの#calendar-qaフォーラムで少なくとも3名のチームリーダが質問への対応にあたることになっている。

すべてのデータはMozilla wiki上で収集される。また人寄せとして、送信したテストケース数が最も多かった参加者2名には、Mozillaのオンラインストアで使える25ドル分の商品券が贈呈される。

このTest Case Writing Dayの取り組みを進めているのはMozillaに関わっている開発者で、オンデマンド・コンピューティング・サービスを提供するSimdesk Technologiesの社員Clint Talbert氏だ。「今年の始めからMozillaでコードの開発に携わってきた。そして4月にカレンダープロジェクトの品質保証(Calendar QA)活動の立ち上げを支援する役割を買って出た。QAに関わった経験もあったからだ」とTalbert氏は話している。

当日、テストケースの作成に参加してくれるのは5~15名ほどだろうとTalbert氏は予想しているようだが、この数はその日の状況次第で大きく変わる可能性もある。Talbert氏は、現在の製品でテストされる各カテゴリにつき2件のテストケースとして、この日の終わりまでに約40件のテストケースを集めたいと考えている。「もちろん、人々は自分の関心のある部分に対してテストケースを書くだろう。その点は承知している」

開発者たちはこの日集まったデータを使って、MozillaのWebベースのテストケース・トラッキングツールLitmusによるSunbirdバージョン0.3とLightningのテストを実施する予定だ。もともとTestRunnerの置き換えとして作成されたLitmusは、ThunderbirdやFirefoxの各バージョンのテストに使われてきたが、Mozillaのカレンダーアプリケーションでは今回初めて使われる。

テストケース作成の1日を通して集められたデータのコンパイルには1日か2日かかるとTalbert氏はみている。「コピーペーストが簡単にできるようにテストテンプレートを作成したが、インポート時にはいくつかのテストケースを編集しなければならないことになりそうだ」

バージョン0.3の最終リリースを8月末に見込んでいるため、プロジェクトの開発者たちは史上初のCalender Test Day(カレンダーテスト実施日)の取り組みを8月22日に行う予定だ。この企画は「FirefoxおよびThunderbirdのテストデイと同様のもの」になる見込みで、最終リリースに先立ってMozillaのバグ発見に協力し、アップグレードプロセスをテストするためにユーザコミュニティを招聘することになるだろうとTalbert氏は話している。Talbert氏は、Calendar Test Dayへの参画に関心を寄せる人々にCalendar QA home pageのホームページに記される今後の告知に注意するように促している。

Sunbirdとは基本的なカレンダー機能をデスクトップ環境に提供するクロスプラットフォームのスタンドアロン・アプリケーションであり、LightningとはMozillaの電子メールアプリケーションThunderbirdで直接利用される拡張機能である。どちらのアプリケーションも同じコードを一部共有しているものの、SunbirdとLightningは互いに独立して開発が行われている。

Talbert氏によると、これらのプロジェクトには正規の開発者が約10名いるほか、それよりずっと多くの人々が不定期に協力を行っているという。「我々のIRCの#calendar開発フォーラムには、平均すると常時約20名がログインしている」

プロジェクトの開発者は、今回のリリースを、前回のリリース後に始まった見直しとリライトの終わりと捉えている。Sunbird 0.3には、すべてのビューでのドラッグ&ドロップへの対応、プレファレンス・ダイアログの改善、印刷機能の強化など、目新しい特徴がいくつか用意されている。また、Lightningの新バージョンにはiTIP/iMIPサポートの基盤、「日付へのジャンプ(go to date)」、水平および垂直方向に回転可能なビューといった新機能が含まれている。

バージョン0.3をリリースした後も、開発チームは0.5に向けて取り組みを続ける、とTalbert氏は語っている。「我々はこのカレンダープロジェクトを推進し、バージョン0.5のリリースを果たすために全力を尽くす」

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