Intel、デスクトップ・チップ「Conroe」を7月27日から出荷
同社広報のビル・キルコス氏は、「これから30日から60日の間に10以上のマルチチップを発表する予定」としており、Core 2 Duoを搭載したスタンダード・デスクトップ版や、ゲーム機に最適化されたバージョンなどの提供が開始される見通しだ。
Core 2 Duoは、すでに一部のチャネルや製造業者向けに出荷が開始されており、一般消費者が同チップを搭載した製品を手に入れるのも間近であるという。キルコス氏は、30日以内に本格生産が開始されるとしている。
さらに、今年4月に発表したビジネス・デスクトップ機能をバンドルしたVProプラットフォームの量産出荷も開始される。Intelではモバイル・デスクトップ向けのCentrinoなど、ハードウェアとソフトウェアをバンドルした製品で大きな収益を上げており、ビジネス・デスクトップでも同様の展開を考えているようだ。
Core 2 Duoでも、そうしたプラットフォーム向けに「Star T」と呼ばれる機能が提供される。キルコス氏によると、Star Tは他のチップにも採用されているが、Core 2 Duoには64ビット・コンピューティング、仮想化機能、アクティブ・マネジメント、I/Oなどに対応した新たなマイクロアーキテクチャが採用されており、将来的には、ハイパースレッディング技術にも対応するという。
Intelは先月、サーバ向けチップ「Xeon 5100」を発表しており、8月にはモバイル・ノートブックPC向けチップ「Merom」も公開する予定だ。いずれもNetburstのデザインから生まれたPentiumと同様のマイクロアーキテクチャを採用している。
Intelがこのようにチップの出荷スケジュールを前倒しにした背景には、今年4月に発表された第1四半期の結果が予測を下回ったこと、また2006年の年間収益予測も下回る可能性が出てきたことなどがある。Core 2 Duoなどの市場展開により、収益の伸び悩みを食い止めたい考えだ。
Intelのこうした取り組みに対して、Dellの広報のリーアム・グエン氏は、「パフォーマンスと省電力性の両方に優れたプロセッサは、消費者に大きな価値をもたらす」と好意的なコメントを出しており、「Intelとは開発や試験を協力して行っており、電力消費量はそのままでパフォーマンスは40%向上している」と評価している。Dellはハイエンド・デスクトップ「XPS 700」にCore 2 Duoを搭載する予定だ。
一方、ライバル企業のAMDは、新チップの販売時期や価格に変更を加える予定はないとしている。AMDのデスクトップ・グループ部門マネジャー、デビッド・シュワルツバッハ氏は、「Intelとの競合関係を注視しているが、今回のIntelの動きは、AMDの市場にはそれほど影響はない」と明言している。
AMDは今年6月にゲーム向け4×4プラットフォームを発表しており、第2四半期にデュアルコア「Athlon 64 X2」の出荷を予定している。また、2007年にはクアッドコア・チップを出荷するほか、マルチスレッディング対応アプリケーションのサポートも継続して行うという。
「今後はマルチタスクとマルチスレッディングがキーワードになる。さらにメガタスクやメガスレディングの世界が訪れるかもしれない」とシュワルツバッハ氏は強調する。
近いうちに、IntelチップとAMDチップのどちらが優位であるかを予測するためのデータも出そろうだろう。Intelは7月13日に、同社のConroeとAMDのAthlon 64 FX-62に関するベンチマーク結果の公表をPCベンダーに許可するとしている。
(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)
米Intel
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提供:Computerworld.jp