Mandrake創始者Gael Duvalが解雇をめぐりMandriva社を告訴へ

Mandriva社の共同創立者Gael Duval氏は今日、本人と他の何人かの社員がMandriva社を解雇されたという噂が事実であると認めた。Duval氏はMandriva社を「不当解雇」で告訴する意向をNewsForgeに語った。

本日午後、IRCでの独占チャットでDuval氏は次のように述べた。「わたしは新しい任務に意欲的だったので非常に残念です。それに、7年前に自分の仕事と他の多くの人の仕事を作り出したのは自分なのに、いまになって上司から”出て行け”と言われるとは」

Duval氏は昨年、Mandriva社CEOのFrancois Bancilhon氏から退社を勧告されたという。Duval氏は、退社する代わりに、長年務めた通信担当副社長の座を離れ、「オープンソース分野におけるMandriva社のイメージ向上を目指す」ための新しい「コミュニティ部門」を率いることで同意した。今回同社はその業務を打ち切ることにした。

Duval氏はまた、会社の方向性についての自分とBancilhon氏の意見は食い違ってはいたものの、両者の間に対立はなかったと話す。同社の状況についてBancilhon氏に取材したところ、今朝以下の回答があった。

わたしたちは3月7日、2005〜2006年第1四半期(2005年10〜12月)の決算報告を発表し、不本意な結果とその対応策について説明しました。対応策として経費削減(人員整理も含む)と新たな業務計画を打ち出し、個人ユーザと企業ユーザの両方を対象に取り組んでいきます。Gaelが所属していた部門は削減対象となりました。Gaelは当社に多大に貢献し、いままでずっと尽力してきてくれました。Gael、そして当社に力を尽くしてくれた他の社員たちが社を去ることはとても残念です。会社の状況改善が必要な現段階では苦渋の決断をしなければなりませんでした。

したがって、ご質問への回答ですが、Gaelは今期の経費削減計画の一環で退社となりました。

Mandriva社のミッション実現への姿勢に変わりはありません。今後も個人ユーザと組織ユーザの両方にLinuxとオープンソース技術を提供する努力を続けていきます。

Duval氏は1998年、Linux-Mandrakeを作成し、Slashdot.orgやその他の場所で公開した。オリジナルのMandrakeはRed Hat LinuxをベースにしてKDEデスクトップを採用していた。Mandrakeは最も簡単に使えるLinuxとして知られるようになった。Mandrake社は2001年に倒産しかけたことがあったが持ちこたえてきた。2005年、Mandrake社はConectiva社を合併し、2つのディストリビューションを統合して他の大手Red HatとNovellに対抗し得る成長を目指してきた。

同社の財務悪化についてDuval氏は、「2005年〜2006年初めに多くの人員を採用したりした経費増大が損失の原因ではないかとわたしは考えています…。わたしの知る限り、新規に採用した社員は一人も解雇されていません」同氏は社内に”トップ交代”の動きがあることを認めた。

Duval氏はMandriva社の将来予測については語らなかった。「まず業務上のことがあります(幹部の決断や犠牲はまた別の話です)。その一方で、率直に言って会社がどこへ行こうとしているのかわたしにはわかりません…。企業マーケットの方へどんどん向かっているように見えます…。わたし自身は、原点(個人ユーザとSOHO)を大切にするべきだったのではと思っています」

Duval氏の今後の――訴訟以外の――プランとして、新しいオープンソース・プロジェクトUlteoがある。Duval氏は次のように話す。「このプロジェクトはMandriva社に提案されて採用されなかったのです。わたしの目標は、オペレーティングシステムの新しい使い方を提供して、ユーザがOSの(保守ではなく)使用に専念できるようにすることです」Duval氏はまた、コミュニティから多くの支援メッセージを受け取っていることも付け加えた。

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