SUSE上のOracleはCOCCの自慢

COCCはコネチカット州で活動する技術協同組合で、地元の地方銀行や信用組合の依頼を受けてソフトウェアとシステムを開発し、サポートする。COCCが毎月運用を請け負っているワークステーションは7,000台、ATMは500台にのぼり、処理量は小切手画像700万枚ほどになる。報告書の作成、データベースの運用、金融情報の提供に使われるソフトウェアは、従来、AIXプラットフォームで実行していたが、これをLinuxに切り替えたところ、ハードウェア費用だけで40%もの節約になった。

COCCでネットワークサービス担当の副社長補佐を努めるBrent Biernetは、SUSE Linuxへの切り替えについて、Novell社のような大企業がバックにいるからこそ決心できた、と言う。「Linuxなんて、以前なら考えることも困難でした。費用効率の高さは知っていましたけどね」Biernet自身、迷惑メールのフィルタリングなど、ミッションクリティカル以外のアプリケーションでは多少のLinux経験はあったものの、会社レベルで使用した経験はなかった。

熟練したUnix管理者をスタッフに加えることは費用の面で困難だったが、幸い、国中の学校から若い有能なLinuxシステム管理者が続々と育ってきていた。「時代の趨勢だと思いましたよ」とBiernetは言う。「Linuxで実現できる費用節減を、うちでもぜひやらねばと思いました」ただし、顧客は高度のセキュリティとパフォーマンスを要求していて、この点での妥協は許されない。「金融業界ですからね。信頼性が絶対です。それも、鉄壁の信頼性でなければなりません。とにかく完璧に動くこと――それはもう念入りに確かめました」

COCCはNovell社との話し合いをつづけ、AIXハードウェアで動いているOracleデータベースを、SUSEの稼動するIntelボックスに移すことで、目標を達成できるという確信を得た。移行にさほどの時間はかからなかった。最初のSUSEサーバが動き出すまでに8週間、とBiernetは言う。「OracleをSUSEプラットフォームで動かそうとして、最初はいくつか問題がありましたが、うちの技術者とOracleの技術者が額を突き合わせて解決しました」

Linuxの採用でCOCCが得たものは大きい。たとえば、新しく数台の物理サーバを導入する余裕ができて、それぞれで重要なアプリケーションの別インスタンスを実行できるようになった(従来は、複数のインスタンスをただ1個のボックスで走らせていた)。「パッチを当てるのがとても楽になりました」とBiernetは言う。もうネットワークを停止させる必要はなく、ITスタッフも真夜中や休日に働かなくてよくなった。

それだけではない。データベースを載せるサーバの台数が増えたにもかかわらず、COCCはハードウェア費用を40%も削減することに成功した。さらに、ソフトウェアライセンスと人件費でも、少なくとも年に5万ドルは節約できている、とBiernetは言う。

BiernetはLinuxに満足している。いま、ほかにもLinuxを使える場所がないかと、あれこれ考えている。「しばらく検討してみて、うまく使えそうな場所があれば、どこにでも使いますよ。これが最適なツールだという場所では必ず使います」

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