SUSE上のOracleはCOCCの自慢
COCCでネットワークサービス担当の副社長補佐を努めるBrent Biernetは、SUSE Linuxへの切り替えについて、Novell社のような大企業がバックにいるからこそ決心できた、と言う。「Linuxなんて、以前なら考えることも困難でした。費用効率の高さは知っていましたけどね」Biernet自身、迷惑メールのフィルタリングなど、ミッションクリティカル以外のアプリケーションでは多少のLinux経験はあったものの、会社レベルで使用した経験はなかった。
熟練したUnix管理者をスタッフに加えることは費用の面で困難だったが、幸い、国中の学校から若い有能なLinuxシステム管理者が続々と育ってきていた。「時代の趨勢だと思いましたよ」とBiernetは言う。「Linuxで実現できる費用節減を、うちでもぜひやらねばと思いました」ただし、顧客は高度のセキュリティとパフォーマンスを要求していて、この点での妥協は許されない。「金融業界ですからね。信頼性が絶対です。それも、鉄壁の信頼性でなければなりません。とにかく完璧に動くこと――それはもう念入りに確かめました」
COCCはNovell社との話し合いをつづけ、AIXハードウェアで動いているOracleデータベースを、SUSEの稼動するIntelボックスに移すことで、目標を達成できるという確信を得た。移行にさほどの時間はかからなかった。最初のSUSEサーバが動き出すまでに8週間、とBiernetは言う。「OracleをSUSEプラットフォームで動かそうとして、最初はいくつか問題がありましたが、うちの技術者とOracleの技術者が額を突き合わせて解決しました」
Linuxの採用でCOCCが得たものは大きい。たとえば、新しく数台の物理サーバを導入する余裕ができて、それぞれで重要なアプリケーションの別インスタンスを実行できるようになった(従来は、複数のインスタンスをただ1個のボックスで走らせていた)。「パッチを当てるのがとても楽になりました」とBiernetは言う。もうネットワークを停止させる必要はなく、ITスタッフも真夜中や休日に働かなくてよくなった。
それだけではない。データベースを載せるサーバの台数が増えたにもかかわらず、COCCはハードウェア費用を40%も削減することに成功した。さらに、ソフトウェアライセンスと人件費でも、少なくとも年に5万ドルは節約できている、とBiernetは言う。
BiernetはLinuxに満足している。いま、ほかにもLinuxを使える場所がないかと、あれこれ考えている。「しばらく検討してみて、うまく使えそうな場所があれば、どこにでも使いますよ。これが最適なツールだという場所では必ず使います」
原文