企業は高く評価するも不遇をかこつIT技術者―英国調査

英国のIT技術者は仕事に不満を持つが、企業の方はその仕事ぶりに満足している。そんな実態が、SkillSoftの委託によって行われた最近の調査で明らかになった。

7月はじめに終了したこの調査では、英国でIT産業に従事する被雇用者は自身が予測するよりも高く評価されている。それでは、もし企業が就業の特典として専門的な技術研修を提供したら、各産業の被雇用者は自身が高く評価されていると思うだろうか。SkillSoftで調査のヘッドを務めるKate Baldwin-Evansによれば、研修企業はこうした点に関心があるのだという。

この調査によれば、IT技術者のうち、仕事で評価されていると感じているのは45%だけであり、70%は現在の仕事が自分の本当の能力に相応しくないと考えている。この数字から、IT技術者は同じ社の他部門の従業員よりも転職傾向が高いことが説明できるだろうとBaldwin-Evansは言う。調査対象のIT専門家のうち24%は在籍6か月未満だが、他の業務では11%なのである。

Baldwin-Evansは、IT専門家は彼ら自身が予測するよりもその仕事を遥かに高く評価されていることに驚いたと言う。「こうした従業員は研修の機会を提供され、自社の業務目的をよく理解し、昇進も多い(調査前6か月以内に昇進していた人は23%)。一般に、他の部門よりも厚遇されています。明らかに、企業は、IT専門家が高く評価されているともっと感じられるようにする必要があります」

IT技術者と、より直接的なコミュニケーションを行う必要があるというのだ。「事実、評価されているとは感じていないのですから、評価していることが直截に伝わるようなコミュニケーションが不足しているのです。間接的なコミュニケーションとして研修や昇進がありますが、この場合は『評価している――技術を高く評価しているからこそ研修の機会を提供したり昇進させたりしているのだ』と言わなければなりません」

1999年にComputerworldが実施した調査によれば、米国のIT技術者も過小評価されていると感じる傾向がある。この調査で、回答者はIT分野での仕事に満足しており所属企業に忠誠心はあるが、企業から十分に評価されておらず、過重労働で、企業の収益への貢献についてコミュニケーションが少なすぎると考えている。

SkillSoftの調査では、IT専門家は仕事で差別されていると考えているという結果が出ている。75%が年齢のせいで差別されている、すなわち、43%が若すぎる、32%は年齢が高すぎると上司から見られている考えているのである。

同調査によれば、英国のIT専門家の45%はより一般的なビジネススキルを身につけたいと考え、40%が管理やリーダーシップの研修が自身の能力を活かす助けになる、55%がIT技術を磨きたいと考えている。そして、20%が事務に関する研修がもっと必要だと考えているという。

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