Sybase、Linux向けにフリーの最新データベースをリリース
基幹製品の導入実績は4万あまり
「これは、当社が20年の歳月をかけて開発した基幹製品で、4万を超える実装があります。最近他社が出したのとは違って、二流品や三流品ではありません。AT&TやAOL(電子メール用)、それにMerrill Lynch(株式取引用)に提供したデータベースの持つ最新機能をすべて備えています」
ASEは、Red HatやSUSEやTurboLinuxなどの「主要な」Linuxディストリビューションで動作する。「ほとんどのディストリビューションで動作するはずですが、確かなことは言えません。ディストリビューションの種類は多いですから」
ASEの設計は、MicrosoftのSQL ServerあるいはオープンソースのMySQLやSleepycat Berkeleyデータベース、さらにはIBMのDB2、Oracleと直接競合するとJacobsonは言う。
Sybaseは、フリーまたはオープンソースのソフトウェアをリリースしたソフトウェアベンダーとしては最後発である。このところ、これまでオープンソースソフトウェアやフリーソフトウェアには関与してこなかった老舗企業が相次いで主要製品をフリーで提供するようになった。たとえば、BEAはWorkshop toolkitを、Computer AssociatesはIngres databaseを提供している。
「IBMやOracleのデータベースでは導入・運営コストが高くつくことに、ITショップの多くが気づき始めています。そして、DBAには、さらに多くのコストがかかっています。つまり、ソフトウェアの購入用にはいくらも残らないことになるのです」とJacobsonは説明する。
サポートコストは必要
Sybaseの提供するフリーのデータベースは、もちろん無償だ。しかし、サポートは無償ではない。完全なサポートだと、年に2,200米ドル必要だ。
「(技術サポートに)大きな必要性があるとは考えていませんし、顧客も技術サポートの予算を必ずしも用意しているとは限らないでしょう。顧客は、ただ、組み込んで使いたいだけなのです。このソフトウェアの設計上の目標は、まさに、そこにあります」
無償のASEデータベースと高品質のSybaseエンタープライズデータベースエディッションの主な相違は、Jacobsonによれば「高可用性と高い複製機能にあり、設立したばかりの中小ショップが本当に必要とするようなものはない」という。