SunがSolarisのOSS化を表明―SCOはこれに目をつけるか?

Sun Microsystemsのオープンソース・ディーバを自認する、饒舌で切れ者のDanese Cooperが自身のDivablogで認めているとおり、SunはUnix System VベースのSolaris OSに関する情報を、数年にわたってオープンソースに「リーク」していたという。この件はこれまで、それほど注目を集めてこなかった。

(Daneseへ:注目を集めたいかい?私は注目する。Javaをオープンにすれば、みな姿勢を正して耳を傾けてくれるだろう。しかしSolarisでは・・・。オープンソース、果てはITコミュニティ全体に与える影響はたかが知れている。算数をしてみればすぐに分かるはずだ。Java開発者(推定400万人)の数に比べて、Solaris-Unix開発者の数など微々たるものだ。以上。)

ここ数年で最大のSolaris関連ニュース

ともかく、新会長/CEOのJonathan Schwartzが先週、上海でのプレス・カンファレンスで、Sunがいつか「Solarisをオープンソースにする」と語ったことで、Sunの社員をはじめ、一部の人々は驚かされたことだろう。これがどのような形で、いつ行われるかは明かされなかった。彼は、SunはSolarisコードの全体または一部の公開を検討しているのか、それともSunが自社開発したコンポーネントを公開するのかも明言しなかった。いずれにしても、Solarisに関してはここ数年の大ニュースといえるだろう。

いま、一部の人々はこの件に注目している。中でもThe SCO Groupは、耳をそばだてているはずだ(ドーベルマンのように)。

SCO Groupは水曜日、この件の検討をやめるようSunに警告した。SCOのマーケティング・マネージャMarc Modersitzkiは、ComputerworldのRodney Geddaに対して「オープンソースのSolarisに関するSunの計画は詳しくはわからないが、SunはUnixのライセンシーの中で最も広範な権利を持っている。とはいえ、ライセンスには制限があり、われわれがライセンス供与したコード全体をGPLに提供することは禁じられている」と述べている。

なるほど。自らをUnix System Vコードの守護神と考えているSCOは、またしても訴訟の可能性を嗅ぎ取ったようだ。SCOはすでに、最大の顧客IBMを相手取って知的財産権訴訟(50億ドル)を起こしているほか、やはり顧客であるDaimlerChryslerおよびAutoZoneに対する小規模な訴訟も係争中だ。さらにSCOは、NovellとRed Hatも訴えている。

Modersitzkiは水曜遅く、「Sunとは長年取引があるので、SCOとのライセンス契約を遵守してくれると確信している」とNewsForgeに語った。

しかし、頑丈なシステムを稼動させるための最新世代のプライマリ・コードを販売または配布することについて、Sunは別の考えを持っている可能性もある。何しろ、Sunのソフトウェア畑の出身で、オープンソースの価値について知り尽くした1人の男(Schwartz)が、Sunに新体制を敷いたのだから。

SCOの歴史がもう1つの訴訟を示唆

いずれにしても大きな影響を与えるとは思えないコードをSunが公開するのを阻止するため、SCO Groupは、わざわざソルトレークシティの連邦裁判所に出向いて、また新しい書類を提出するだろうか。SCOの歴史を見てみればわかる。Sunが言葉どおりの行動を起こそうとすればこれは起こりうる、という意見により多くの票が集まることだろう。

SCO Groupの看板商品は、訴訟である。Unix製品やサービス?冗談だろう。

Sunは長年の間、自社のエンタープライズ・ソフトウェアにUnix System Vがふさわしいと考え、その使用権と引き換えにSCO Groupに多額のライセンス料を支払ってきた(1万ドル)。本来ならばSCOは、SunがSolarisのコードを好きなように扱えるようにするのが筋である。いずれにしても、Solarisのコードは、Sunが何度にもわたって改変してきているのだ。SCOはすでに巨額の利益を得ているが、さらに多くを求めるだろう。SCOの弁護士たちは、これを訴訟に発展させたくてうずうずしているに違いない。

今回のケースでは、SCOが訴訟を起こすのは、ひとえに強欲によるものだ。それ以外では説明がつかない。