MySQLは最初のクラスタリング・ソリューションだと主張
月曜にNewsForgeに送られてきたプレスリリース(発表が禁止されている)によれば、これは次のようなものだという。「MySQL Clusterは不断の可用性が要求されるアプリケーションのための新しいオープンソース・データベース・クラスタリング・テクノロジである。MySQL ClusterはMySQLデータベースとクラスタリング・アーキテクチャを結び付けることにより、ミッションクリティカルなデータベース・アプリケーションに99.999 パーセント以上の可用性を提供する」
GPLライセンス付きの「プレビュー」バージョンは、もうすぐMySQL.comから自由にダウンロードして、オープンソース・ソフトウェア製品で自由に使用することが可能になる。フル機能の「プロダクション」バージョンは今年の秋にリリースされるだろう。こちらはオープンソース開発者向けにGPLの下で提供される一方で、商品開発者向けに商品として提供される(プロセッサ当たりの定価は$5,000以内になるようだ)。
私たちがMySQLから受け取ったMySQL Clusterのプレスリリースには、B2(スウェーデンの有力なブロードバンド/VoIPプロバイダ)の技術最高責任者であるLars-・e Norling氏の言葉が引用されていた。「MySQL Clusterが実現する高可用性により、我々は不断のブロードバンド・インターネット・アクセスとVoIPサービスを加入者に保証することができる。これは顧客の満足度を大いに高めるという直接的な効果があり、またネットワークの運用コストも引き下げる。我々は新たに手にしたスケーラブルなインフラによって、加入者ベースを積極果敢に拡大し、新しい付加価値サービスを提供することができるだろう」
このプレスリリースでは、MySQL ClusterがLinux、Microsoft Windows、Sun Solaris、Mac OS Xなど、さまざまなソフトウェア/ハードウェア・プラットフォームで動作すると言っている。
高い可用性と高信頼性を持つエンタープライズ・データベースの分野は今のところOracleが支配しているが、MySQLはこの新製品によって、そこにかなり食い込んでいけるように思われる。Yahoo!、Sabre Holdings、Cox Communications、Associated Press、およびNASAは、少なくともオペレーションの一部として既にMySQLを実行している(NewsForge、Slashdot、およびその他のいくつかのOSDN Webサイトでも同様である)。
新しいビジネス・パートナーを積極的に捜し求めている
また別のプレスリリース(こちらも今日の朝に公表される予定)で、MySQLは次のような内容を公表するはずだ。「新しいMySQL Partner Programは、サポートを強化し、オプションを増やし、収入の機会を増やすことで、MySQLデータベースをサポートする独立ソフトウェア・ベンダ(ISV)、システム・インテグレータ、付加価値再販業者(VAR)、および開発者たちに資するものになっている。このプログラムの目玉は、新しいオンラインMySQL Solutions Catalogを導入したことだ。MySQLのすべてのユーザは、このカタログからMySQLパートナーが提供するMySQL関連の製品とサービスを検索できる」
MySQLは既に「Apple、Arkeia、Emic Networks、Intel、JBoss、Novell、SAP AG, SGI、およびVERITAS Software」と緊密に協力していると言っている。SAPは世界で最も大きくて評価の高いERPソフトウェア・ベンダの1つなので、SAPとの結び付きは大きな意味を持っている。昨年の6月、SAPは実質的に自社のデータベース開発をMySQLに渡した。
なお、MySQLはオープンソース企業ではあるが、商業ライセンス(つまり「収益を生む」)製品のライセンシングにも力を入れ、その比重を増やしつつある。オープンソースについて語る一方で、新しいパートナーへの口説き文句に次のような言葉も盛り込んで、開発者の金儲け心に直接訴えかけようとしている。「MySQL関連ソリューションを開発し販売しようとする組織にとって、この強化されたMySQL Partner Programは、それをやりやすくすると同時に、得られるもの(儲け)も増やしてくれる。このプログラムでは、利益と費用の幅に関して4つのパートナー・レベルが用意されている」
これらのレベルは、参加費用がかからずに「MySQL Solutions Catalogに登録され、… 特にMySQLの販売機会が得られる」という「開発者コネクション」から、「MySQL ABとの戦略的提携関係に関心のある業界大手のISV、サービス・プロバイダ、またはハードウェア・メーカーを想定した、招待者専用のMySQLパートナーシップ・レベル」までにわたっている。
エンタープライズ・ユーザにとって本気でMySQLを検討するときが来た
MySQLはエンタープライズ・ソフトウェア市場をウォッチしているアナリストなどから、ごく単純なアプリケーションにしか利用できない機能不足のデータベースだということで、長いこと相手にされなかった。しかし、この認識がもはや妥当でないことは明らかだ。
MySQLの最近の動きから大きな疑問が出てくる。すなわち、Oracleやその他のエンタープライズ・データベース・ベンダは「自分たちの縄張り」へのMySQLの新攻勢にどう対応するのだろうか、ということである。