EMCがVMwareを買収、5ヶ月間で3社目
VMwareの買収は、今年の初め、パロアルトを拠点とするこの企業に、Microsoftによる買収話が持ち上がった後だった。「しかし、両者の折り合いが付かなかった」とVMwareの会長兼CEOのDiane Greeneは語る。買収は2004年の第1四半期に完了する予定だ。両会長とも、MicrosoftがVMwareに興味を示したことで、今回の買収の進行が早まったことを認めている。
Tucciによれば、EMC/VMwareは、個別のネットワークにある企業のストレージ、管理、システム・インテグレーション・ソフトウェアを接続するための研究開発に力を入れていく予定だという。また、この買収が両社の従業員数に与える影響は「まったくないか、あったとしても非常にわずか」だ。
VMwareの製品(VManage、VPlatform、VTools)は、複数のOS(Windows、Linux、NetWare)が、同じIntelベースのサーバおよびワークステーションで同時に、かつ独立して動作させ、さらに、動作中のアプリケーションを、業務に支障を与えることなく、システム間で動的に移動させることを可能にする。このような「仮想マシン」は、既存の物理インフラストラクチャと管理フレームワークにシームレスに統合することができる。ユーザは自分専用であるかのようにリソースを利用でき、管理者はこれらのリソースの管理と最適化を、エンタープライズ内でグローバルに行える。
Tucciは、「顧客は、ITインフラストラクチャの管理を単純化する方策を求めている。これは、ストレージの課題よりも難題だ。これまでは、サーバとストレージの仮想化は、別々のものとして存在してきたが、今後はEMCが、この2つの世界の融合を加速させていくことになる」と語っている。
一方Greeneは、「この組み合わせは当然の結果だ。製品の明らかな相関関係以上に、進歩するオープン・スタンダードにおけるEMCのリーダーシップと、主要なIT企業とEMCの関係性が、進行中の革新と業界全体の連携を促進する。VMwareは今後も、世界有数のサーバ/ストレージのベンダ、ISV、システム管理プロバイダとの関係を維持し、有用な新技術を顧客に提供できるよう、連携して開発を進めていく」と述べた。
VMwareのソフトウェアは、世界中の何千社もの企業で利用されている。活用しきれていないサーバを統合したり、サーバの準備時間を、数週間から数十秒にまで短縮したり、アプリケーションのワークロードを、サービスを停止させずに複数のサーバやワークステーション間で動的に移動させたり、ハードウェアの保守、配備、移行の際のダウンタイムを排除したりするのに役立っている。
買収が完了した暁には、EMCは2004年の第一四半期でおよそ1500万ドルから2000万ドルの費用を負担することになる。これは、VMwareの進行中のリサーチおよび開発コスト、統合にかかるその他のコストだ。これらの費用も含め、この取引は、2004年の第一四半期に希薄株あたりの収入を0.01ドル減らすことになるが、2004年度全体に影響を与えることはないと予想されている。2005年度には、このVMwareの買収が、0.01ドルの増収をEMCにもたらすとEPSは予測している。
買収が完了したら、EMCは、Greeneをリーダとするソフトウェア子会社(Greeneは「これは、VMwareの第2ステージだと考えている」と語っている)としてVMwareを運営していく予定だ。VMwareは今後も、VMwareの製品およびソリューションの開発、販売、サービス提供を続けていくことになる。