IBM、IBMのGPLコードへの著作権侵害を加えてSCO Groupへの反訴を拡大

IBMは9月25日、 SCO Groupに対し、 GPL違反とIBMの保有する特許を侵害しているという2点で ユタ州の連邦地方裁判所に反訴していた件 ( opentechpress.jp記事)を拡大し、 SCOがIBMの著作権を侵害しているという主張を加えて提出した。

この反訴は、一連のSCOによる30億ドルの賠償を求めての 対IBM訴訟に関してのもの。SCOの主張は、自社のUNIXライセンスを受けた AIXの技術を IBMがLinuxに加えたことで、SCOのUNIXビジネスにダメージを 与えたというものだが、IBMは一貫としてAIXの中のコードのすべてに関して IBMが所有権を持つと主張している。 IBMが8月に反訴していた内容は、SCOがLinuxが採用しているライセンス であるGPLに反しているということ、さらにSCOの製品がIBMが保持している 4つの特許を侵害していることの2点に関してのもので、IBMはSCOの無差別な 攻撃とプロダクトの出荷停止を求めていた。

今回のIBMによる反訴の拡大は、IBMがLinuxに貢献したコードの著作権に 対して、SCOがGPLの条項に違反したことでIBMの著作権が侵害された というもの。SCOがGPLに違反していたという点を漠然と主張していたものを IBMのコードがGPLに反することで著作権を侵害されたと明確に主張している。

さらに、Wall Street Journalの報道によれば、IBM sales managerの Robert Samson氏が出したメモにて、顧客にSCOに提訴された場合に備えて 免責保証を提供すると発表したHPの行為に対し、免責保証は顧客を保護する 役にはほとんど立たず、また顧客がオープンソースの開発プロセスを利用 させないようにするとも指摘し、IBMが免責保証を出さないことを示している。

IBMの反訴拡大を受け、SCOの株価(NASDAQ:SCOX)は急落し、 2.94(17.06%)ドル安の14.29で26日の取引きを終えた。22日に記録した 20.85ドルからは6ドル以上下げたことになる。