ルイジアナ司法当局もLinuxを採用

オープンソーステクノロジは全米各州とまではいかないが、アイオワ、ユタ、ロードアイランド、ハワイなど、かなり多くの州政府に浸透し始めている。その勢いは止まるところを知らず、今、またルイジアナ州がオープンソースの採用に踏み切ろうとしている。

たとえば、ロードアイランド州は、Linux、Apache、MySQL、PHP/Perl/Pythonなどのオープンソーステクノロジを駆使して、同州の規則や規制に関するポータルサイトを構築している。このポータルの完成までには、4万ドルの費用と4か月の時間(実際の作業は週2日のペース)が費やされている。

州政府レベルでオープンソースの採用に踏み切った直近の例が、ルイジアナ州の司法当局だ。ルイジアナの第19地方裁判所では、Linuxをベースにデータベースアプリケーションを開発している。これは、警察関係者、判事、一般市民に対して、裁判記録へのアクセスをリアルタイムで提供しようというものだ。

同地裁では、RedHat Advanced Servers をベースとし、Oracle9i Database、Real Application Clusters、Oracle 9i Application Serverを組み合わせて裁判記録のオンラインアーカイブシステムを実現している。このシステムの運用に使われる のが、Dell PowerEdge 6650サーバ(Intel Xeonプロセッサ2.0 GHzを各4基搭載)とDell EMC CX400 SANストレージシステムにより構成された4ノードのクラスタだ。

Oracleデータベースにより複数の小さなデータストアを統合し、それにより、判例や陪審、ドラッグコートの判例に関する管理アプリケーションを連結している。また、ACS Judical Solutionsのアプリケーションにより、裁判の日程、記録、文書を管理している。ユーザはインターネットを介して、これらさまざまな情報を1つの画面でまとめて閲覧することができる。

同地裁の情報システムディレクター、Freddie Manint氏によれば、このシステムは高い負荷に耐えられるものでなければならない、そして、それこそが、Linuxがベースとして選ばれた最大の理由だという。氏は、「警察サイドからの数百の接続に加え、パブリックサイドからの数千の接続を同時に処理することになるだろう」と予測し、Linuxのメリットとして、「大量のアクセスに対応でき、しかもスループットが高い、カーネルがスケーラビリティに優れ、堅牢である」ということを挙げている。

これまで同地裁では、20人いる判事が各自のデータベース(FoxProやdBaseなど)を持ち、事件記録を管理していた。しかし、そのすべてのデータベースがスタンドアロンであったため、情報の共有には「スニーカーネット(フロッピーなどを携えて人手でデータをやり取りすること)」という原始的な方法が使われていた。

全員がファイルを携えてセクション間を歩き回っていたため、地裁内は大量の書類で溢れ、データの二重入力によるエラーが発生していた──これが当時の状況である。

新しいシステムでは、バラバラだったデータベースが1つにまとめられるが、ここで接着剤の役割を果たすのが、LinuxベースのOracleアプリケーションだ。「Linuxの強力なコーディングツールにより、テーブル間の大量結合を実現することができる。しかも、大量のDLLや実行コードをシステムで実行しなくても済む」(Freddie Manint氏)

Freddie Manint氏らは3年を費やして、各種ハードウェアプラットフォーム、OS/データベース構成、セキュリティシナリオをリサーチし、ベンチマークテストを行っている。その結果たどり着いたソリューションが、Linux/Oracle/Dellの組み合わせというわけである。

Microsoftが提供するソリューションも候補に入っていたが、評価結果は満足のいくものではなかった。特に問題だったのがセキュリティだ。外部からの攻撃に対してあまりにも脆弱であるとの判断が下された。「Microsoftのソリューションでは、ほとんどのコードがインタラクションとリアクションによって生成されるため、多くの攻撃を許してしまう可能性があった」(Freddie Manint氏)のである。

Microsoftのテクノロジには「高い」という問題もあった。Microsoftのデータベースサーバのサポート契約だけで年間17万5千ドルもかかる。Freddie Manint氏は、「この調子では、プロジェクト全体に数百万ドルもかかることになる」との危惧を感じたとのことだ。

すべてを検討した結果、Linuxベースのシステムが群を抜いて優れていることがわかったという。Freddie Manint氏はこう語っている。「Microsoftはワードプロセッシングと小規模のピアツーピアOSについてはたしかに優れている。しかし、セキュリティが重視される環境において上位のエンタープライズサービスにスケールアウトすることを考えると、Microsoft製品には障害が多い。多くの人々がそう認識しつつあるようだ。そこで私たちが下した結論が、プロジェクトに最も適したツールを選ぶということだったのである」