Communigate ProはMS Exchangeに取って代わるか?
Communigate ProをはじめとしたExchangeの競合製品が揃って抱える問題は、電子メールではなく、コラボレーション(グループウェア)機能やカレンダー機能に関わる部分だ。とりわけ、マルチプラットフォーム対応を謳う製品ではなおさらである。OutlookとOutlook Expressの各機能を完全にサポートする製品でも、一部のプラットフォーム(特にLinuxなど)で互換性に問題を残している。Exchangeに対抗する製品(そして、おそらく開発者が自分の名を上げたいがための、非商用ソフトウェア)にとって不利なのは、現在、OutlookとOutlook Expressが、電子メール/グループウェアクライアントの市場をほぼ完全に支配しており、どの企業もMicrosoftのデスクトッププログラムと連携できないようなサーバを決してインストールしないという実情があることだ。たとえOutlookとの互換性を完全にサポートする代償として、他の電子メールクライアントのサポートを切り捨てなければならなくてもだ。
「来たるべき標準」iCalのサポート
iCalは Apple が積極的に利用してきた標準であり、同社の製品に実にうまく取り入れられている。また、オープンソースの Mozilla Calendar など、iCalを採用するソフトウェアは少なくない。開発段階にあったこの標準も、ここへきてStalkerのような商用グループウェアのベンダが(そして企業のように責任を負う必要のないソフトウェア開発者も)サーバソフトウェアに大々的に組み込み始めるほど安定性が評価されてきた。Slaterによれば、iCal/vCal標準をサポートするCommunigate Pro 4.1(現在開発中)が登場すれば、Outlookを使う必要はなくなるそうだ。つまりこういうことである。新しいバージョンのCommunigate Proは、自分のコンピュータで使う必要がなく、他人のコンピュータでも使用することができる。インターネットカフェでもどこでもよい。Webブラウザさえ利用できれば、Outlookと同等の機能を利用することができる。ブラウザにしても、携帯用端末のものでも何でもかまわない。
主要なグループウェアクライアントの中で、iCalを当分の間デフォルトでサポートしそうにないものが1つだけある。お察しのとおり、Outlookだ。現在、 Outport と呼ばれるオープンソース・プロジェクトが、Outlookと外部のプログラムとのインタフェース開発における課題に取り組んでいる。このプロジェクトが、互換性の問題を解決してくれるかもしれない。また、Communigate Proなどのグループウェア・プログラムが、Outlookで利用できる程度の機能をどんどん追い越していくにつれ、ユーザが(技術的に言って)最も単純なソリューションであるOutlookから離れていくのは当然のことだ。
だが、マーケティングに流されやすいデスクトップコンピュータユーザの多くは、この動きには追従しないだろう。Outlookの代用品が非常に使いやすく、サーバはExchangeよりも安価で、しかも少ないコストで維持できることがわかっていてもだ。したがって、もうしばらくの間は、少なくとも同僚の何人かはOutlookを利用しているという現実を受け入れ、それに付き合わざるを得ないだろう。
Exchangeよりも安価なCommunigate Pro
米TTS Performance Systems のFrank Maestanは、彼の会社で利用していたOutlookを、2001年6月からCommunigate Proに切り替えて運用している。この移行によって、NTサーバと、旧バージョンのExchange(15シート・ライセンス)からのアップグレードに必要だった費用、1800ドルを節約することができた。また、Exchange用バックアップ・システムの700ドルも同時に削減できたという。このバックアップ・システムについてFrankは、「3、4時間おきにExchangeサーバがすべてクラッシュする。その度、サーバ・ルームに駆け付けなくてはならなかった」と、当時を振り返る。
Communigate Proへの移行は実にスムーズだったという。「Linuxに関しては当時、まだ初心者も同然だったが、インストールで苦労することはまったくなかった」Frankはこう続けた。「アップグレード版がリリースされるときも、インストールが簡単で手間がかからない」
同社のCommunigate電子メール/グループウェア・サーバは、8月から順調に稼動を続けており、バックアップテープをセットした以外、何も手をかけていないという。いわく、「Exchangeの頃とは大違いだ」
仮にMicrosoftが突然、Exchangeを無償で提供すると言い出したとしても、「AOLのCD-ROMと一緒に山積みにしておくだろう。絶対に使わないね」彼はこう付け加えた。
WindowsからLinuxへの移行が簡単
Slaterによれば、Stalker製品のライセンスは、あらゆるOSでの使用をカバーするという。よって、Communigate Proに切り替える時点でWindowsサーバが稼動していても、後でLinuxへ移行する際にライセンスを買い足す必要はない。
耳よりな情報はこれだけではない。Communigate ProではExchangeよりもずっと大きな添付ファイルを送受信することができる。「電子メールをftpのように利用するユーザもたくさんいる」(Slater)そうだ。ほかにも、Exchangeがすべてのメッセージを別々に保持することを指摘し、メールをユーザごとに1つのファイルにまとめる場合との違いを語った。「Exchangeの電子メールでは、他のプログラムよりもずっと多くの容量がMB単位で必要になる。ストレージの価格は数年前に比べて安くなったが、容量がひたすら増え続けるので、買っても買ってもすぐに一杯になってしまう」
Exchange競合製品の台頭
Microsoft Exchangeの代用品の登場が後を絶たない。iCal標準が完成度を高めるにつれ、さらに充実してくるだろう。うまく組み合わせてExchangeと同等の機能を実現すれば、相互の連携に関しては申し分ないほか、ウィルスに感染しやすいことで有名なOutlookを使う必要がなくなる。しかも、ユーザが日々使用する電子メールやメッセージング、あるいはグループウェアの機能で、使えくなるものなど何もないのだ。
残念なのは、問題なく利用できる完成されたソフトウェアで、完全にオープンソースな、あるいは無償で入手できるものがないことだ。そう遠くないうちに1つは必ず登場するだろうが、さしあたりCommunigate Proなど、Exchangeよりも低コストな独自ソリューションが、企業のサーバルームのExchangeに取って代わる最有力候補となるようだ。
著者コメント:完成された機能を持つ、エンタープライズ・レベルの電子メール/メッセージング・サーバ・システムを「Exchangeの代用品」として運用し、それがまったくのオープンソース、あるいは無償ソフトウェアであるという方、記事で紹介させていただけませんか。メール にて一報ください。電話かIRC、あるいはIMによるインタビューをセッティングさせていただきます。