2025年7月 法人向け生成AIサービス利用動向調査に関する調査

■ 法人による生成AIサービスの導入は今後も拡大、2027年末には59.2万社に到達
■ 生成AI導入済の法人は約4社に1社、導入検討中は46.2%
■ ChatGPTの利用率は52.1%で最多、Copilot・Geminiも4割前後の利用率
■ 利用者満足度1位はNotion AIで83.3ポイント、ChatGPTが 83.0ポイントで続く
■ 利用端末はWindowsノートPCが主流、スマートデバイスでも一定の活用広がる

 株式会社 ICT総研 (東京都中央区)は7月2日、「2025年7月 法人向け生成AIサービス利用動向調査に関する調査」の概要をまとめた。
■ 法人による生成AIサービスの導入は今後も拡大、2027年末には59.2万社に到達
 日本国内における生成AIサービスの法人利用は、急速な拡大局面を迎えている。ICT総研では2023年末時点で24.7万社が何らかの形で生成AIサービスを業務に導入していると推計しており、2024年末には32.7万社、2025年末には41.3万社に達する見込みである。さらに、2026年には50.1万社、2027年末には59.2万社にまで拡大すると予測しており、法人領域における生成AIの定着が急速に進んでいる。
 このような導入の広がりの背景には、生成AI技術の進化に加え、業務効率化や意思決定支援、創造的業務の補助といった多様な業務ニーズに応える柔軟性が高く評価されている点がある。特に、従来は導入に慎重だった中小企業や非IT系の業種においても、ツールの操作性やコスト面のハードルが下がったことで、導入のハードルが大きく低下している。
 今後は、生成AIの利用が一部の先進的な活用事例にとどまらず、業務標準の一部として定着していくことが見込まれる。また、従業員規模や業種を問わず幅広い法人による導入が進むことで、ビジネスプロセス全体の再構築や生産性向上に寄与するインフラとしての役割も期待される。
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■ 生成AI導入済の法人は約4社に1社、導入検討中は46.2%
ICT総研が2025年に実施した法人向けアンケート調査の結果によれば、生成AIサービスを「業務で利用している」企業は15.0%、「トライアルで利用している」企業は9.4%で、あわせて24.4%が何らかの形で導入済であった。一方、「導入していないが、導入を検討している」と回答した企業は7.4%にとどまり、現時点での導入意向を明示している法人は限定的であった。
 これに対し、「導入予定はない」と明言した企業は46.2%にのぼり、一定数の企業においては生成AIの導入に対する慎重な姿勢が根強いことがうかがえる。「答えられない」「わからない」とする回答もそれぞれ7.2%、14.7%存在しており、企業によって導入検討の進捗にばらつきが見られる。
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■ ChatGPTの利用率は52.1%で最多、Copilot・Geminiも4割前後の利用率
 ICT総研が2025年に実施した法人向けアンケート調査によれば、生成AIサービスを業務で利用している企業のうち、最も利用率が高かったのはChatGPT(OpenAI)で52.1%にのぼった。次いで、Microsoft Copilotが42.3%、Google Gemini(旧Bard)が28.5%と続いており、主要プラットフォーマーが提供する汎用型生成AIが法人業務においても高い浸透率を示している。
 そのほか、Claude(Anthropic)が13.1%、Apple Intelligenceが11.0%、Notion AIが7.7%、GitHub Copilotが7.6%と続いており、用途別のAI活用が徐々に広がっていることも読み取れる。CanvaやGrammarlyなど、既存ツールに搭載されたAI機能の利用も一部に見られた。
 全体としては、生成AIサービスの利用が一部の主要サービスに集中している状況にあるものの、業務領域や操作性に応じた選択が進みつつあり、今後はより多様なサービスの併用が広がる可能性がある。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/19182/16/19182-16-43e5f352f0579af69dce946ee6922937-541×404.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

■ 利用者満足度1位はNotion AIで83.3ポイント、ChatGPTが 83.0ポイントで続く
 主な生成AIサービスの利用者満足度を100点満点換算の満足度ポイントとして集計したところ、最も高かったのはNotion AIで83.3ポイントであった。次いで、ChatGPT(OpenAI)が83.0ポイント、Apple Intelligenceが82.1ポイント、GitHub Copilotが81.3ポイント、Google Gemini(旧Bard)が80.9ポイント、Microsoft Copilotが80.5ポイントと続いた。Claude(Anthropic)は77.3ポイントでやや下回ったものの、全体的に主要サービスはいずれも高水準の評価を得ている。
 サービス別の傾向としては、文章生成やタスク支援に強みを持つ汎用型AIに加え、Apple IntelligenceやGitHub Copilotなど、OSや開発環境に統合されたサービスが高評価となった。全体平均は78.2ポイントであり、多くの法人ユーザーが生成AIサービスに対して一定以上の満足感を抱いていることが示された。
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■ 利用端末はWindowsノートPCが主流、スマートデバイスでも一定の活用広がる
生成AIサービスの業務利用における端末環境として、最も多かったのは「ノートPC(Windows)」で65.3%にのぼった。次いで「デスクトップPC(Windows)」が36.8%と、従来型の業務用PCが依然として主要な利用環境となっている。
 一方で、「スマートフォン(iPhone)」は23.4%、「Android」は17.6%と、モバイル端末からの利用も一定数存在しており、Mac端末(15.8%)やタブレット(11.6%)の活用も確認された。業務用の専用端末や仮想デスクトップ環境からの利用は限定的であり、生成AIの利用環境は比較的汎用的なデバイスに集中していることが示唆される。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/19182/16/19182-16-d61654247fe393dee808cd196688a6a2-522×383.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

【本資料の調査結果・推計データについて】

* この調査は、インターネットユーザー4,068人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。アンケート実施日は2025年5月19日から5月31日。
* 本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
* 本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。
* 本資料は報道・ニュースメディア向け資料であり、ICT総研の許可無く、データ、グラフ等を広告および販促活動に利用することを禁止する。
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ICT総研ホームページ
https://ictr.co.jp/report/20250702.html

■株式会社ICT総研について
ICT総研は市場調査会社・シンクタンク出身者を中心に2011年に設立された独立系調査会社です。
主な事業内容:ICTおよびその他分野に関する市場調査、コンサルティング、出版
資本金:1000万円
代表者:代表取締役 齊藤 和
従業員数: 企画スタッフ・リサーチャー・アナリスト 合計20名(契約スタッフを含む)
URL https://ictr.co.jp/

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提供元: PR TIMES