AIの専門知識、データ移動、追加コストなしで生成AIアプリケーションが構築可能に
オラクルは本日、業界初のインデータベース大規模言語モデル(LLM)、自動化されたインデータベース・ベクトル・ストア、スケールアウト可能なベクトル処理、および非構造化コンテンツから情報を得た自然言語によるコンテキスト会話機能を備えた「HeatWave GenAI」の提供開始を発表しました。これらの新機能は、AIの専門知識や別のベクトル・データベースへのデータの移動を必要とせず、お客様は自社の企業データに生成AIの機能を導入できます。「HeatWave GenAI」は、すべての「Oracle Cloud」リージョン、「Oracle Cloud Infrastructure (OCI) Dedicated Region」、およびその他のクラウド上で利用可能で、HeatWaveの既存のお客様は追加費用なしで利用できます。
テキサス州オースティン – 2024年6月27日
(本資料は米国2024年6月26日にオラクル・コーポレーションより発表されたプレスリリース(www.oracle.com/news/announcement/oracle-announces-in-database-llms-and-automated-in-database-vector-store-with-heatwave-genai-2024-06-26/)の抄訳です)
オラクルは本日、業界初のインデータベース大規模言語モデル(LLM)、自動化されたインデータベース・ベクトル・ストア、スケールアウト可能なベクトル処理、および非構造化コンテンツから情報を得た自然言語によるコンテキスト会話機能を備えた「HeatWave GenAI(https://www.oracle.com/heatwave/genai/)」の提供開始を発表しました。これらの新機能は、AIの専門知識や別のベクトル・データベースへのデータの移動を必要とせず、お客様は自社の企業データに生成AIの機能を導入できます。「HeatWave GenAI」は、すべての「Oracle Cloud」リージョン、「Oracle Cloud Infrastructure (OCI) Dedicated Region」、およびその他のクラウド上で利用可能で、HeatWaveの既存のお客様は追加費用なしで利用できます。
「HeatWave GenAI」により、開発者は組み込みのエンベディング・モデルを使用し、単一のSQLコマンドで企業の非構造化コンテンツ用のベクトル・ストアを作成できます。ユーザーは、データベース内または外部のLLMを使用して、自然言語検索をワンステップで実行できます。データはデータベースの外に出ることはなく、HeatWaveの極めて高いスケールと性能により、GPUをプロビジョニングする必要もありません。その結果、開発者はアプリケーションの複雑さを軽減し、性能およびデータ・セキュリティの向上、コスト削減を実現できます。
オラクルのチーフ・コーポレート・アーキテクトのエドワード・スクリーベン (Edward Screven) は次のように述べています。「『HeatWave GenAI』は、『HeatWave Lakehouse』、『HeatWave Autopilot』、『HeatWave AutoML』、『HeatWave MySQL』といった既存のHeatWave組み込み機能に追加され、HeatWaveの革新のペースはさらに加速しています。今日の統合し自動化されたAI機能拡張により、開発者はAIの専門知識を必要とせずに、データを移動することもなく、リッチな生成AIアプリケーションを迅速に構築できます。ユーザーは、直感的な方法で企業データと対話し、ビジネスに必要な正確な回答を迅速に得ることができるようになりました。」
SmarterDのチーフ・エグゼクティブ・オフィサーのVijay Sundhar氏は次のように述べています。「『HeatWave GenAI』は、生成AIの活用を非常に簡単にします。インデータベースLLMとベクトル作成のサポートにより、アプリケーションの複雑さが大幅に軽減され、推論のレイテンシも予測可能で、何よりもLLMの使用やエンベディングの作成に追加コストがかかりません。これはまさに生成AIの民主化であり、『HeatWave GenAI』でよりリッチなアプリケーションを構築し、お客様の生産性を大幅に向上させることにつながると信じています。」
新たに自動化されビルドイン生成AI機能には以下が含まれます:
インデータベースLLMは、低コストで生成AIアプリケーションの開発を簡素化します。お客様は、外部LLMの選択と統合の複雑さを気にすることなく、またさまざまなクラウド・プロバイダーのデータセンターにおけるLLMの有無について心配することなく、生成AIの恩恵を受けることができます。インデータベースLLMにより、お客様はHeatWaveの ベクトル・ストアでデータを検索し、コンテンツを生成または要約し、検索拡張生成(RAG)を実行できます。さらに、生成AIをAutoMLなどのHeatWaveの他の組み込み機能と組み合わせることで、よりリッチなアプリケーションの構築が可能です。また、「HeatWave GenAI」は、「OCI Generative AI」サービス(https://www.oracle.com/jp/artificial-intelligence/generative-ai/generative-ai-service/)と連携されており、主要なLLMプロバイダーの事前トレーニング済みの基盤モデルにアクセスできます。
自動化されたインデータベース・ベクトル・ストアにより、お客様はデータを別のベクトル・データベースに移動することなく、またAIの専門知識がなくても、ビジネス・ドキュメントで生成AIを使用できます。ベクトル・ストアとベクトルの埋め込みを作成するすべてのステップは自動化され、オブジェクト・ストレージ内のドキュメントの検出、解析、高度に並列かつ最適化された方法での埋め込み生成、ベクトル・ストアへの挿入など、データベース内で実行されるため、HeatWave ベクトル・ストアは効率的で使いやすくなっています。RAGにベクトル・ストアを使用することで、モデルが適切なコンテキストで独自のデータを検索し、より正確で関連性の高い回答を提供できるため、LLMのハルシネーションの課題を解決するのに役立ちます。
スケールアウト可能なベクトル処理により、精度を損なうことなく、非常に高速なセマンティック検索結果が得られます。HeatWaveは、新しいネイティブのVECTORデータ型と最適化された距離関数の実装をサポートしており、標準SQLでセマンティック検索を実行できます。HeatWaveのインメモリ・ハイブリッド・カラムナー表現とスケールアウト・アーキテクチャにより、ベクトル処理はメモリに近い帯域幅で実行され、最大512のHeatWaveノード間で並列化されます。その結果、お客様は迅速に質問に回答できます。また、ユーザーはセマンティック検索を他のSQL演算子と組み合わせることで、例えば、異なるドキュメントを持つ複数のテーブルを結合し、すべてのドキュメントで類似検索を実行できます。
HeatWave ChatはMySQL Shell用のVisual Codeプラグインで、「HeatWave GenAI」のグラフィカル・インターフェースを提供し、開発者は自然言語またはSQLで質問できます。統合されたLakehouse Navigatorにより、ユーザーはオブジェクト・ストレージからファイルを選択し、ベクトル・ストアを作成できます。ユーザーはデータベース全体の検索やフォルダに限定した検索ができます。HeatWaveは、質問の履歴、ソース文書の引用、LLMへのプロンプトなどのコンテキストを維持します。これにより、コンテキストに基づいた会話が容易になり、ユーザーはLLMが生成した回答の出典を確認できます。このコンテキストはHeatWaveで保持され、HeatWaveを使用するすべてのアプリケーションで利用できます。
ベクトル・ストアの作成とベクトル処理のベンチマーク
PDF、PPT、WORD、HTML形式のドキュメントのベクトル・ストアの作成は、Amazon BedrockのKnowledge baseを使用する場合と比較して、HeatWave GenAIを使用すると最大23倍速く、コストは4分の1になります。
1.6GBから300GBのサイズのテーブルに対する様々な類似検索クエリを使用したサードパーティ・ベンチマークで実証されたように、HeatWave GenAIはSnowflakeより30倍高速でコストは25%削減され、Databricksより15倍高速でコストは85%削減され、Google BigQueryより18倍高速でコストは60%削減されます。
別のベンチマークでは、pgvectorを使用したAmazon Aurora PostgreSQLのベクトル・インデックスは精度が低く、誤った結果をもたらす可能性があることが明らかになりました。対照的に、HeatWaveの類似検索処理は、常に正確な結果を提供し、応答時間が予測可能で、メモリ速度に近い速度で実行され、同じコア数でAuroraより最大10倍から80倍高速です。
AMDのサーバー・ビジネス・ユニット シニア・バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのDan McNamara氏は次のように述べています。「オラクルとの強力な協業を継続し、重要なエンタープライズ・ワークロードとデータ・セット向けに『HeatWave GenAI』でAIのパワーと生産性を提供できることをうれしく思います。AMDとオラクルによる共同エンジニアリング作業により、開発者はAMD EPYCプロセッサーのコア密度と卓越した価格性能を備えた『HeatWave GenAI』を活用し、革新的なエンタープライズAIソリューションを設計できるよう支援します。」
「HeatWave GenAI」に関するお客様およびアナリストのコメント
EatEasyのチーフ・エグゼクティブ・オフィサーのSafarath Shafi氏は次のように述べています。「私たちは、お客様にさまざまな提案をするために、データベース内の『HeatWave AutoML』を多用しています。HeatWaveのインデータベースLLMとインデータベース・ベクトル・ストアのサポートは他社にはないものであり、AutoMLと生成AIを統合することで、業界におけるHeatWaveのさらなる差別化を実現し、お客様に新しい種類のサービスを提供できます。AutoMLとの相乗効果により、LLM結果のパフォーマンスと品質も向上します。」
Aiwifiの創業者であるEric Aguilar氏は次のように述べています。「HeatWaveのインデータベース・LLM、インデータベース・ベクトル・ストア、スケールアウト可能なインメモリ・ベクトル処理、およびHeatWave Chatは、オラクルの提供する非常に差別化された機能であり、生成AIを民主化し、非常にシンプルで安全かつ安価に使用可能にしています。HeatWaveとAutoMLを企業ニーズに活用することで、私たちのビジネスはすでにいくつかの方法で変革を遂げています。お客様は自社の企業コンテンツで生成AIを活用する方法を探しており、オラクルによるこのイノベーションの導入は新しいクラスのアプリケーションの成長を促進するでしょう。」
Constellation Researchのバイスプレジデント兼プリンシパル・アナリストのHolger Mueller氏は次のように述べています。「HeatWaveの技術革新は、普遍的なクラウド・データベースのビジョンを実現し続けています。その最新のものがHeatWaveスタイルの生成AIで、自動化されたインデータベース・ベクトル・ストアとインデータベースLLMがHeatWaveコアに直接統合されています。これにより開発者は、HeatWaveの要素を組み合わせることで、新しいクラスのアプリケーションを作成することができるようになりました。例えば、『HeatWave AutoML』と『HeatWave GenAI』を組み合わせて、疑わしい取引を検出するだけでなく、理解しやすい説明を提供する不正検出アプリケーションを作成できます。これはすべてデータベース内で実行されるため、データを外部のベクトル・データベースに移動する必要がなく、データをより安全に保つことができます。また、これにより、『HeatWave GenAI』は、競合ベンチマークで実証されているように、わずかなコストで高い性能を実現しています。」
HeatWaveについて
HeatWaveは、トランザクションとレイクハウス規模のアナリティクス向けに、自動化され統合された生成AIと機械学習を1つのサービスで提供する唯一のクラウドサービスです。オラクルの分散クラウド戦略の主要コンポーネントであるHeatWaveは、OCIとAmazon Web Services上でネイティブに利用でき、「Oracle Interconnect for Azure」を介してMicrosoft Azure上で、そして「OCI Dedicated Region」と「Oracle Alloy」によりお客様のデータセンター内でも利用可能です。
参考リンク
エドワード・スクリーベンによるHeatWaveの生成AI機能発表(https://www.linkedin.com/events/7207421205891477504/comments/) (動画)
技術ブログ(https://blogs.oracle.com/mysql/post/announcing-the-general-availability-of-heatwave-genai) (英語)
業界アナリストによるHeatWaveの評価(https://blogs.oracle.com/mysql/post/analysts-react-to-the-general-availability-of-heatwave-genai) (英語)
オラクルについて
オラクルは、広範かつ統合されたアプリケーション群に加え、セキュリティを備えた自律型のインフラストラクチャをOracle Cloudとして提供しています。オラクル(NYSE:ORCL)に関するより詳細な情報については、https://www.oracle.com/ をご覧ください。
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