エネルギー問題などの社会課題解決に向けデータセンター事業領域における包括業務連携を開始

 株式会社ブロードバンドタワー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長業務代行:中川 美恵子、以下、ブロードバンドタワー)、東急不動産株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡田 正志、以下、東急不動産)(以下、総称して両社)は、データセンター事業領域における、包括的な業務連携を開始いたしましたことをお知らせいたします。

■両社が包括業務連携に至った背景
 昨今、あらゆる産業分野におけるデジタル・トランスフォーメーション(DX)の進展及びIoTの急速な普及に伴い、世界的にデータ量が急増しており、国策として掲げるデジタル田園都市国家構想の実現に向けたデジタル基盤の強化の一環として、その需要に対応した国内のデータセンター整備が不可欠な状況となっています。

 一方、データセンターの増加と共に国内の電力消費量は爆発的に増大しており、エネルギー自給率の低い日本において、今後のデータ需要の進展に伴い一層の増加が見込まれるデータセンターへ、どのように安定的に環境負荷を抑えつつ電力を供給するかについても解決すべき大きな課題となっています。

 また、データセンターは投資効率やネットワークの接続性等の観点から、集積化のメリットが大きいため、現在は特定のエリアに集中しており、経済安全保障や地域情報格差(デジタル・デバイド) 等の課題もより深刻なものとなっており、国においても令和4年に「データセンター、海底ケーブル等の地方分散によるデジタルインフラ強靱化事業」を公表し、データセンターの地方分散によるデジタルインフラ強靱化を推進しています。

■両社の包括業務連携で目指す目標
 両社は、ブロードバンドタワーによる商用データセンター黎明期からの専業データセンター事業者としての豊富な運用実績、及び東急不動産による長年の不動産開発実績並びにエネルギー事業領域における多様な取組み等、それぞれの強みを活かし、データセンター事業領域において包括的に連携することで、国内のデジタル基盤強化を実現すると共に、今後も増加するデータセンターのエネルギー問題や、データセンターの地方分散による国土強靭化に向けた社会課題の解決を目指して参ります。

■今回の包括業務連携のイメージ

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■ブロードバンドタワーの取り組み概要
 ブロードバンドタワーは、データセンター専業事業者として、会社設立から20年以上にわたりデータセンターを運用し、現在、東京23区内に4拠点、大阪1拠点でデータセンター事業を展開しています。その中でも大手町エリアで稼働中のデータセンターでは、日本を代表する三大IX (JPIX、BBIX、JPNAP) との構内での接続※1や、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP)等のメガクラウドとの閉域網接続※2を実現しています。
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 また、データセンターの新たな事業領域として、2021年12月には米国に本社を置く資産運用会社と提携し、ハイパースケールデータセンター事業への進出に向けた準備を進めています。

 ブロードバンドタワーでは、データセンターの運用において、熱循環や空調運転の効率化、その他節電や省電力化のための様々な施策により、PUE(Power Usage Effectiveness)※3の改善を図っており、基幹データセンターである「新大手町サイト」においては、RE100※4準拠のトラッキング付FIT非化石証書を活用した実質再生可能エネルギー由来100%の電力に切り替える等、グリーンIT・環境配慮型データセンターへの取組みを続けています。

■東急不動産の取り組み概要
 東急不動産ホールディングスグループでは、「環境経営」と「DX」を全社方針とした長期ビジョン「GROUP VISION 2030」を掲げ、都市事業、住宅事業、ウェルネス事業、インフラ・インダストリー事業など、幅広い領域において不動産の新しい価値を創造・発信しています。
 東急不動産は、不動産業で初めて「RE100」に加盟※5し、2022年には自社事業所及び保有施設※6の使用電力※7について100%自社由来の再生可能エネルギーへ切替えを完了し、環境共生型の持続可能なまちづくりを推進しています。
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※1 IX(Internet eXchange point)は、インターネットの中枢でデータセンター事業者やISP事業者の「相互接続点」としての機能を担っており、ブロードバンドタワーの東京・大手町のデータセンターは、日本の三大IXであるJPIX、BBIX、JPNAPと構内で光ケーブルにて直接接続されています。

※2 メガクラウドは、クラウドサービス事業者の中でも特に市場シェアが大きく国際的にサービスを展開する事業者であり、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP)の3つが、三大メガクラウドとして知られています。ブロードバンドタワーの東京・大手町のデータセンターは、三大メガクラウドと閉域網(インターネットに接続されていないクローズドなネットワーク)で接続しており、安定した高品質の通信が可能となっています。

※3 PUE (Power Usage Effectiveness)は、データセンターなどのエネルギーの利用効率を表す指標であり、施設全体の消費エネルギーがサーバなどのICT機器の消費エネルギーの何倍に相当するかを表す値で、空調や照明、UPS:無停電電源などのICT機器以外の設備の消費エネルギーが少ないほど値が小さくなります(改善する)。

※4 事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達する事を目標とする国際的なイニシアティブ。

※5 東京証券取引所市場一部上場企業の業種別分類に基づく。

※6 RE100の対象範囲とならない、売却又は取壊し予定案件及び当社がエネルギー管理権限を有しない一部の共同事業案件を除きます。

※7 RE100が認めるグリーンガスが国内市場に存在しないため、コジェネレーション自家発電による電力を除きます。なお、東京ガス様が供給するカーボンニュートラルガスを採用することで、脱炭素を実施しております。

【株式会社ブロードバンドタワーの概要】
本社所在地:東京都千代田区内幸町二丁目1番6号
代表者:中川 美恵子
事業内容:コンピュータプラットフォーム事業・メディアソリューション事業

【東急不動産株式会社の概要】
本社所在地:東京都渋谷区道玄坂一丁目21番1号
代表者:岡田 正志
事業内容:総合不動産デベロッパー

リリース詳細
提供元: PR TIMES