Acompanyは、プライバシーテックのひとつであるSMPC（Secure Multiparty Computation）の実用的なエンジン『QuickMPC』をOSS（Open Source Software）化したことをお知らせします。クライアントサーバー型SMPCのOSSは世界ではじめてとなります。 基本的な統計量計算や軽量な機械学習を、プライバシーデータを秘匿化しつつ行うことができます。これによりデータクリーンルームなど、SaaSのモデルでSMPCを使ったソフトウェア開発しようとしている世界中の企業やエンジニアにとってセキュアなサービス展開を手助けします。
OSSの公開GitHub URL：https://github.com/acompany-develop/QuickMPC
■AcompanyのSMPCエンジン「QuickMPC」とは
QuickMPCは、Acompanyが2020年10月に公開したSMPCエンジンです。このエンジンでは機密データやプライバシーデータを秘匿化しつつ、事前定義されている基本統計量計算や、ロジスティック回帰分析、重回帰分析といった軽量な機械学習を実行することができるようになります。 開発者は、QuickMPCエンジンと2種類のクライアントライブラリを利用することで、SMPC機能を使ったSaaSプロダクトを簡単に開発できるようになります。クライアントライブラリはPythonとJavaScript(TypeScript)で提供されており、QuickMPCエンジンとAPIを通じてやりとりができるようになっています。 QuickMPCをOSSとして提供することで、個人の権利を侵害することなく、ビジネス的なインサイトを獲得したい企業を手助けします。
■背景
データの保護は重要な課題です。GDPRやCCPAなど、個人データを保護する法律により、今まで通りの無秩序なデータ活用が難しくなりました。この結果、ユーザーからデータを取得するビジネスモデルを展開してきたGAFAMは利益面で大きな打撃を受けました。 また個人データを守るため、Gartnerは2025年までに大企業の60%がアナリティクス、ビジネス・インテリジェンス、そしてクラウドコンピューティングのどれか1つでPEC技術を導入すると予測しています。
■AcompanyがなぜSMPCのOSSを公開するのか
Acompanyは2018年設立の名古屋大学・名古屋工業大学発スタートアップです。ブロックチェーンの領域で1年間もがき続けましたが思い通りの成果がなく、さまざまなクライアントにヒアリングをかけたところ「プライバシーデータを保護するニーズ」、そしてプライバシーテックの一つであるSMPCに辿り着きました。 しかし当時は実用レベルのSMPCのOSSは存在せず、QuickMPCを独自で開発。そしてこの度、QuickMPCエンジンと2種類のクライアントライブラリを公開することとなりました。 今回の発表についてAcompany CTOの近藤岳晴氏は、「2019年当時、秘密計算エンジンのOSSは研究者用のものがほとんどでした。そこで私たちはQuickMPCの独自開発に取り組み成功しました。そして今回、OSSとして公開しました」とコメントしました。
OSSの公開GitHub URL：https://github.com/acompany-develop/QuickMPC
■プライバシーテックとは
個人のプライバシーを保護するためのテクノロジー（技術）です。個人のデータを企業等が大量に保有する中、いかに個人に対して安心・安全なデータ保全・利活用を実現できるのか課題となっています。この課題を解決する技術がプライバシーテックです。例えば、データを暗号化しつつ企業・組織間でデータ分析ができる次世代暗号技術「秘密計算」や、仮想のデータを生成する「合成データ」、個人識別性を排除する「匿名加工」などが挙げられます。
プライバシーテック研究所：https://acompany.tech/privacytechlab/
■会社概要
社名：株式会社Acompany
代表者：代表取締役CEO 高橋亮祐
所在地：愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1-3JRゲートタワー27F OICX
設立：2018年6月 URL：https://acompany.tech/
ミッション：プライバシー保護とデータ活用を両立させる
事業内容：プライバシーテックサービス「AutoPrivacy」の開発・提供、コンサルティング
■本件に対するお問い合わせ
お問い合わせフォーム、もしくは下記メールアドレスからお問い合わせください。
お問い合わせフォーム：https://acompany.tech/contact/
連絡先：pr@acompany-ac.com
