TIS、国立がん研究センター東病院とITでの患者の潜在的症状のモニタリングによる苦痛スクリーニングの共同研究を開始

患者と医師のコミュニケーションの円滑化を目指す

TISインテックグループのTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史、以下:TIS)は、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院(所在地:千葉県柏市、病院長:大津 敦、以下:国立がん研究センター東病院)とITを活用し、患者の潜在的な症状をデータとして抽出するための共同研究を開始したことを発表します。

TISでは、かねてよりヘルスケアの分野で人々の健康づくりを支えるヘルスケアプラットフォームを提供するとともに、多様なパートナーとヘルスケアサービスを通じて、人々の健康増進や医療費削減といった社会課題の解決に取り組んできました。

今回、国立がん研究センター東病院の緩和医療科(研究代表者:三浦 智史)と行う共同研究は、患者自身が表現しきれない潜在的な症状の訴えを新たなPRO※1として抽出し、そのデータをモニタリングすることで、患者の苦痛をスクリーニングし、患者-医師間のコミュニケーション改善の効果を検証していきます。
第一フェーズとして、PROを抽出するための有効な対話シナリオを検証します。

※1 PRO(Patient Reported Outcome)とは、臨床試験において医師による評価ではなく、患者自らの評価や症状の訴えなどの報告のこと。

■実証実験の概要
実施期間:2021 年11月~2022年月3月(第一フェーズ)
目的  :診察時に医師が調査票等を利用して収集している症状の有無や程度等のPROに関する情報とあわせて、
     患者自身が表現しきれない潜在的な症状の訴えをコミュニケーションロボットとの対話データから収集
     できるかの検証を行います。
     ※コミュニケーションロボットとしてTISのAIチャットボット「DialogPlay」を試験的に活用し、実現
     可能性を検証します。
実施内容:
・調査票等を基にした対話シナリオの作成
・コミュニケーションロボットの対話データからPROの抽出
・データの精度向上に向けた対話シナリオの見直し、補正

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■背景
昨今の医療業界の課題として、医療現場の患者-医師間のコミュニケーションの円滑化があります。医師が患者の容態を確認する際、ITを活用することで、患者-医師間のコミュニケーションの円滑化やエンゲージメントの向上、さらには医療過誤の抑止などが期待されています。また、これまで取得できていなかった患者本位の症状や容態評価などの情報を蓄積し、活用できると考えています。
そのため、TISと国立がん研究センター東病院は、ITを活用したPRO収集と苦痛のスクリーニングによる、がん患者の療養支援システムの開発に関する共同研究を開始しました。

■今後の取り組みについて
TISでは本取り組みを通じて、以下3つの観点を実現するサービスの創出を目指します。
・患者(生活者)の安心:表現する事が難しい潜在的な症状の訴えを医師に伝達し、対処してもらう契機を作ること
           による安心・安全の獲得
・より効率的な診療 :患者とのコミュニケーションの円滑化による効率化・医療過誤の抑止
・PROの利活用   :PROを臨床や研究開発に活かす事による新たな解決策の創出

第二フェーズ以降では、上記サービスの創出に向けた検証範囲の拡大を計画しています。PROの利活用においては、TISが提供する「ヘルスケアリファレンスアーキテクチャ※2」を活用することにより、個人の健康・医療情報の管理に求められるセキュアで統一された基準のシステム構築を実現しつつ、社会実装に向けたスピードと質を向上させていきます。

将来的には、がん患者の症状モニタリングや苦痛のスクリーニングのためのPRO収集に限らず、他の疾患にも応用する事で、医師・患者をはじめとした社会全体のより豊かな暮らしに貢献できる社会基盤の創出を目指します。

※2 ヘルスケアリファレンスアーキテクチャとは、ヘルスケアサービス開発に必要となるシステムの共有部分を、マイクロソフト社のクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」を利用して定型化したTISのサービス。
https://www.tis.jp/service_solution/PHR-POC-Template/

■研究代表者コメント【国立がん研究センター東病院 緩和医療科 医長 三浦智史氏】
「がんの根治・予防、がんとの共生」に向けて、ITの新しい活用で患者様・医師・社会に価値をもたらす取り組みとして期待しています。

■AIチャットボット「DialogPlay」について
「DialogPlay」は業務チャットボットを作成できるSaaS型のクラウドサービスです。Webブラウザ上でノンコーディングで簡単に作成が可能で、Webページだけでなく「Microsoft Teams」や「LINE」等の様々なチャットプラットフォームに公開できます。公開したチャットボットは、ユーザーの発言をAI機能で推定し、よくある質問(FAQ)に回答したり、ユーザーに代わって特定業務シナリオを代行したりすることが可能です。また音声対話のオプションも備えており、様々なデバイスに自動対話の機能を提供することも可能です。

詳細は、以下URLをご参照ください。
https://www.tis.jp/service_solution/dialogplay/

■「ヘルスケアプラットフォーム」サービスについて
TISの「ヘルスケアプラットフォーム」サービスは、日々の健康増進から病気の予防や治療、介護にわたるさまざまなライフステージの生活者を支える「健康」「医療」情報を対象に、それらを生活者のオプトインに基づいて活用するための IT が集約されたオープンなプラットフォームです。
詳細は、以下URLをご参照下さい。
https://www.tis.jp/service_solution/healthcare-pf/

TIS株式会社について(https://www.tis.co.jp/
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客様のあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客様と共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。

TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心とした様々な社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。

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提供元: PR TIMES