OSDLのコミュニティ無償提供特許リポジトリ計画「Patent Commons」

幾つかのニュースが出てるが、それらの比較とOSDLのリリースを見る限りは「コミュニティに無償利用を確約したような特許を一覧できるデータベースを作ります」と言っているだけなのかな。これなら特に意味はなさそうだ。寄贈特許ライブラリと書いているメディアが多いし、IBM, Nokia等の名前を引き合いに出しているので、これらの企業から権利を取得したのかと思ったが、どうも単なる情報提供の場のような感じだ。

まあ、特にそれは構わないのだが、提供された特許の情報を知っても特に意味はないような気がしないでもない。特許侵害訴訟を仕掛けてくるような可能性がある者は、そもそもコミュニティに提供しないのだからこのライブラリには載ることがない。ZDNetの記事にもあるが、開発者を実際に訴訟から保護することにも役立たないような気はする。まあ、それはEben MoglenのNYでの法律センターの仕事の領域かな。Bruce Perensにいたっては、The Registerにて”The pool turns out to be spitting in the wind.”(風の中でつばを吐く)と評している。

このあたりは私は全く門外漢だし(八田主筆にでも聞かないと分からないな)、詳細はまだ未定っぽいので評価は難しい。とりあえず、ソフトウェア特許に対する関心を高めるというPR効果ぐらいはあるとは思うが。