VA Linuxが業界組織に入っていない理由

「あれ?、○○に入ってないのですか? 何故ですか?」、「○○という団体を作るのですが、入って頂けませんか?」という言葉をこの数年腐るほど頂いた。○○というのは、Linux/オープンソース関連の組織のことで、ようはそういった組織にVA Linuxも入ってくれということである。意外に思う方もいるかもしれないが、現時点ではVA LinuxはLinux/オープンソース界隈のどのような組織にも所属していない。OSDLは入ってないし、日本Linux協会もそうだ。その他あらゆる何とか協会、協議会等の団体とVA Linuxは無関係だ。

VA Linuxとしてはせいぜい中立でいたいというポリシーがある程度で、別にそれらの業界組織に所属しないという会社としてのポリシーは持っていないのだが、所属する理由がないので入っていないというのが現状である。VA Linuxにとってメリットがあるなら尻尾をふってjoinするわけだが、そのメリットを見出すことはほとんどない。逆に組織に入らせておいて、いろいろタダで働いてほしいというのが透けて見える場合すらあるので、余計敬遠してしまうこともある。

ただ、まあVA Linuxのような企業にそういった業界組織に入る理由が薄いのはしょうがないことである。

まず、オープンソース業界であれば基本的に開発に必要な情報は全て公開された場で取得できるものであるし、人脈的なものもそういった業界組織の中よりも公開された場で堂々とやり合うほうが相互理解が深まるということがある。ということで、開発ということに関しては、業界組織に入る理由が薄い。クローズドなシステムであれば業界組織に入らないと何も情報がこないのかもしれないが、オープンソースの世界は全くそれとは異なる。また、その他いろいろ開発以外の情報交換/共有だとかいろいろ名目があるだろうが、オープンソースである以上はやはり同じことが言える。

オープンソースに貢献していますということを打ち出したいために、そういった組織に所属している企業もあるということは知っているが、VA Linuxがオープンソース企業であることは自明なのでそんなことは意味がない。貢献ということであれば、VA Linuxはオープンソースの世界で開発を続けることが最大の貢献だと考えているが、一般的によく言われるコミュニティ支援という意味の類のことであれば、VA Linuxは国内外を問わずかなりの数のプロジェクト等に対して直接的に金銭や機材の支援を行っている。先週のヘルシンキのDebconfにもVA Linuxはスポンサーとなっているし、また、SourceForge.JPを擁するOSDNもまあそれに該当するのかもしれない。ということで、わざわざ業界組織に所属してまでオープンソースに貢献する必要もない。