WCJ2009でしゃべります

今週の日曜、すなわち11月22日、東京大学の本郷キャンパスにてWikimedia Conference Japan 2009というイベントが開催されるが、その1セッションでしゃべらせてもらうことになった(14:00から15:00)。もしご都合がつけばぜひお越しください。私はともかく他のスピーカーはなかなか豪華だから、来て丸損ということは無いと思いますよ。

Wikipedia/Wikimedia関係というと、2007年に台湾・台北で開催されたWikimania 2007というのに呼んでもらってしゃべったことがあるが、それ以来だからずいぶん久しぶりである。とはいえ、今回はWikipediaともWikimediaとも実はあんまり関係ない話になりそうなので、若干申し訳無いような気分もあったりして。

では一体何について話すのかということだが、「Wikileaksの現状と課題、そして突きつける問題」というお題で一席ぶつつもりである。このところ私が関心を持っているWikileaksというリーク支援サイトについて、ある程度突っ込んだ紹介と論点提起をするつもりだ。

Wikileaksは日本ではまだまるで知名度がないが、個人的にはここ10年ほどの間に現れた中で、最も注目に値する技術的/社会的実験の一つだと思っている。単に目新しいとか便利だというだけではない、私たちの社会を根本から揺さぶる可能性のあるテクノロジーの使い方だと思うのだ。まあ、Wikileaksそのものが生き延びるどうかはまだよく分からないが、Wikileaksが潰れてもWikileaks的なものは、今後も繰り返し蘇り続けるだろう。だから今、Wikileaksが私たちに突きつける問題について皆さんと考えてみたいと思うのである。こう書くとなんだかしゃちこばった堅い話のようだが、例によって中身は暗く話は明るく、少なくとも聞いて楽しい漫談にはするつもりである。

なお当日は、Wikileaksそのものの話に加えて、最近のFreenetの開発動向や、最近レッシグが書いた(けれども日本ではあまり注目されなかった)「Against Transparency」に関する議論にも言及したいと考えている。ネットにおける匿名性やWeb of Trust/Small Worldに関する議論、あるいはネット・ジャーナリズムのあり方に関する議論も盛り込みたいところだ。ということで、たぶん細かくやれば2~3時間を要する内容を40分くらいで超特急にやることになる。もしかすると消化不良になるかもしれないが、当日私は最後の懇親会までいるつもりなので、何かあればぜひ私をつかまえて議論をふっかけていただきたい(でもいじめないでね)。皆さんとお会いするのを楽しみにしている。