Release [0-9].[0-9]

O’Reillyが有料ニューズレターのRelease 2.0を発行し始めた(編集長によるアナウンス、サンプルPDF)。年6回発行。値段は495ドルとのことで、読みものにしては結構値が張る(ただし、購読すると後述の1.0時代を含めたすべてのアーカイヴが見られるようだ)。読者として想定しているのは主に企業のエグゼクティヴ、ということなのだろう。書いているのは基本的にティム・オライリー自身を含めたブログ・コンビナート(?)、O’Reilly Radarのチームの連中のようだ。Radarはオライリーの趣味でやっているのかと思っていたのだが、一応無料のRadarで客寄せして有料のRelease 2.0でお金を取る、というサブスクリプション型のビジネスを指向しているらしい。あるいは、Sunのサイモン・フィップスが言うように、「(出版社から)次第にアナリスト・ファームへの移行を図っている」のだろうか。

ところで、Release 2.0の前には当然Release 1.0があった。このRelease 1.0というニューズレターは、Release 2.0という本の著者としても有名なIT業界アナリストのエスター・ダイソンが、自分の会社で責任編集、ほぼ月刊(年11回)という形で20年以上の長きに渡り出していたものである。後にダイソンの会社はCNETに買収されたので、しばらくはCNETから出ていたが、去年の11月にO’ReillyがCNETから権利を買った。今回のRelease 2.0では、もうダイソンは編集にタッチしていないようだ。その一方でダイソンはニューヨーク・タイムズにも隔月の連載を持っていて、これのタイトルがRelease 3.0である。さらに現在ダイソンはFlickrに写真日記を持っていて、これがRelease 4.0、ということらしい。ついでに言えば、ハードカバーのRelease 2.0をソフトカバーで出し直す際、律義にRelease 2.1と改名している。

何が言いたいかというと、Release \d.\dというタイトルはもはやわけがわからないから止めたほうがいいというだけなのですが…。