三菱総研の西岡利博という人が、最近出る杭を打たないで 〜OSS型コミュニティ進化論〜というコラムを書いている。その文中にこんな一節があった。
昔からOSS開発者の中には、強い信念のあまり強硬な主張をする人々がいて、容易には受け入れられないことがあった。中には、すべてのソフトウェアは無料で利用できるべきだと主張する者もいる。彼の賛同者(決して少数ではない)のソフトウェアの利用ライセンスには、そのプログラムを利用して作ったソフトウェアにも無償公開を義務付ける条件がついている。商用プログラムの開発にそのソフトウェアを使えるだろうか。この条件を緩めることは良いことか悪いことか。激しい議論が戦われ、その成果は数多のオープンソースライセンスとなって結実した。
他人のことであれば申し訳ないが、どう考えてもここで西岡氏が念頭においている「彼」とはRMSことリチャード・ストールマンであろう。そして、RMSはすべてのソフトウェアは無料ないし無償で利用できるべきだ、と主張しているのではない。フリーソフトウェアのフリーは無料のフリーではない(お願いだから読んで!)。2005年にもなって「フリー=無料」というストレートな誤解を目にするとは思わなかった。こういった誤解だけは一掃しようと今まで努力してきたつもりだったが、まだまだ足りなかったようだ。まあ他にも、RMSを「OSS開発者」呼ばわりするとたぶんキレるとか、別にBSDLその他はGPLへのカウンターとして出てきたわけじゃないとかいろいろ言いたいことはあるがそれはどうでもいい。
というか、そろそろフリーではなく「自由なソフトウェア」という用語をプッシュすべきなのかなあ。