「GDB 9.1」が公開
オープンソースで開発されているデバッガ「GNU Debugger(GDB)」開発チームは2月8日、最新版となる「GDB 9.1」の公開を発表した。マルチスレッドシンボルの読み込みのサポートを実験導入するといった機能強化が図られている。
GDBはC/C++やGo、Rustなどさまざまな言語に対応するソースレベルのデバッガ。WindowsやLinux、macOSを含む各種UNIXなどさまざまなプラットフォームで利用できる。
GDB 9.1は、2018年1月に公開されたバージョン8系に続く最新のメジャーリリースとなる。
コマンド名で「.」(ドット)を利用できるようになった。また、「printf」や「eval」コマンドではCおよびAdaスタイルの文字列を直接表示できるようになるなど、既存のさまざまなコマンドが強化されている。
ユーザー定義のプリフィックスコマンドを定義できる「define-prefix」など、新しいコマンドも多数加わった。GDB/MIでも新しいコマンドが加わっている。
実験的ながらマルチスレッドシンボルの読み込みが可能になった。高性能コンピューティング向けの機能となり、デフォルトではオフになっている。利用するためには、GDBのメンテナンスコマンド(「maint」)を使って機能を有効にする必要がある。
Pythonスクリプティング機能も改善され、さまざまなPython APIが強化された。また、WindowsプラットフォームにおいてPython 3と組み合わせてのコンパイルが可能となった。
一方で、Cell Broadband Engineでのデバッグサポートや、Solaris 10環境のサポートは本バージョンで廃止された。また、GDBおよびGDBserverのビルドにGNU make 3.82以上が必要となった。
GDB 9.1はプロジェクトのWebサイトより入手できる。
The GNU Project Debugger
https://www.gnu.org/software/gdb/