ライブラリ機能にフォーカスした「Rust 1.7」が公開
Mozillaが開発するプログラミング言語「Rust」の開発チームは3月2日、最新版となる「Rust 1.7」を公開した。ライブラリ機能にフォーカスした機能強化が中心となる。
Rustは安全性や速度、並列性などを特徴とするプログラミング言語。MITライセンスとApache Licenseのデュアルライセンスで提供されている。Rust 1.7は1月後半に公開したRust 1.6に続く最新版で、ライブラリ機能にフォーカスしたリリースとなる。
本リリースでは約40のライブラリ関数とメソッドが安定扱いとなった。安定化されたAPIの中で最大のものとしては標準ライブラリのHashMap<K, V>型におけるカスタムハッシュアルゴリズムのサポートが加わったという。これまでRustではSipHashハッシュアルゴリズムを利用していたが、SipHashは安全性に優れる一方で小型キーのハッシュ化の速度に問題があった。そこで、高速なFNVハッシュアルゴリズムを利用できるよう変更が行われた。これにより高速化が図れると説明している。
is_loopback()など、Ipv4AddrとIpv6Addrで便利なメソッドが加わり、FFI(Foreign Function Interface)で使用するCStringも強化した。あるスライスから別のスライスにデータを効率よくコピーする<[T]>::clone_from_slice()も加わった。これらだけでなく、Path、Vec、String、Slicesなど多種のAPIが安定化されている。
パッケージマネージャ「Cargo」関連では小規模な変更が加わっており、cargo rustcサブコマンドを修正したほか、依存を正確に通知することでファイル変更時のみにビルドスクリプトを返すように改善した。