Album Cover Art DownloaderでiPodを楽しく

 自分で集めたCDや(内緒だが)友人のコレクションにあるCDをリッピングするとき、私はカバー・アートにこだわったことがない。iPodにアルバム・アートはさして重要ではない、そう思っていたのだ。ところが、我が家にiPod touchがやってきて、私はあっさり宗旨替えをした。Appleの言う「カバー・フロー」機能を使ってページをめくるように自分の音楽コレクションを次々に見ていくのは楽しい。アルバム・アートがほとんどなければ、あの楽しさが半減してしまうではないか。しかし、購入してもいないアルバムのカバー・アートがiTunesにあるとは限らないのが悩みの種だった。だが、ありがたいことに、 Album Cover Art Downloader (ACAD)という、GPLライセンスの小さなアプリケーションがこの悩みを解決してくれた。

 iPod touchの横型画面に沿って指先を滑らせるとアルバムのコレクションが次々とめくられていく。このカバー・フローは抗しがたい機能だ。しかし、カバー・アートがなければ面白みのない音符が薄ぼんやりした暗灰色の矩形の中にあるだけで、まったくもってつまらない。そこで、まだ手元にないアルバム・アートの入手方法を探していた。そして、見つけたのが、現在アルバム・アートの整理に愛用しているACADというGPLプログラムだ。WindowsまたはLinuxで動作する。ACADでカバー・アートを検索ダウンロードするのは高速かつ簡単、しかも楽しい作業だ。

 ACADのダウンロードとインストールは簡単だ。Windows向け(自己解凍型実行形式)、Red Hat向け(.rpm)、Debian向け(.deb)のファイルがあり、それ以外の場合のためにソースコードも用意されている。インストールしたら、次に構成する。Yahoo!、Amazon、Buy.comなど、アルバム・アートを検索するサイトを設定し、ファイルの保存形式を指定する。形式は2種類、KDEやGNOMEと互換性のあるファイル、つまり.pngなどの汎用画像ファイル形式にID3v2タグを埋め込む形式と、Windows Mediaファイル用の形式のいずれかだ。次に、ID3v2タグと「pathname %(artist)%(album)」のいずれでアルバム・アートを「推測」するかを指定する。

 構成が終わったら、メニューからFile→Openの順に選択して音楽ファイルのある場所を開き、カバー・アートを探すアルバムまたは楽曲を1つ選択する。すべてを選択することもできるが、あまり大きな音楽コレクションだと動きが鈍くなり、クラッシュすることさえあるので注意。指定するのは3つか4つまでにしておくのが無難だ。

 アルバム・アートが見つかると表示される。左側にあるアルバムを選択状態(高輝度)にする。何らかの理由でアルバム・アートをアルバム全体に適用したくない場合(あるいはアルバムのトラックが1~2本しかない場合)は、適用するトラックを選択状態にする。そして、設定するアルバム・アートを選んで「Set as Cover」をクリックする。その際、アルバムを間違えないように。さもないと、そのまま間違ったアルバム・アートが音楽ファイルに埋め込まれてしまう。その場合は、カバーを削除してやり直さなければならない。

 コレクションしているCDやトラックのほとんどにアルバム・アートを設定したら、iPod touchに再インポートする。ほんの数分で完了。かくして、私のカーバー・フローの流れはずっと楽しいものになった。ありがとう。

Tina Gasperson ビジネスやテクノロジーに関する記事を執筆、業界で著名な雑誌に掲載されている。1998年からフリーランス。

Linux.com 原文