ソニー:海外の音楽ダウンロード事業、打ち切りへ

 ソニーは米国で8月30日(現地時間)、北米と欧州で運営している音楽のダウンロード販売サービス「CONNECT」を、来春までで打ち切ると発表した。ソニー独自のATRAC形式で音楽を販売しているが、米Appleと米Microsoftの間に挟まれて苦戦し、独自路線の継続を断念した。

 ソニーは、Appleの音楽販売に対抗するため、04年5月からCONNECTを開始した。しかし、自社のATRAC形式しか採用せず、MP3やAppleのAAC、MicrosoftのWindows Media Audio(WMA)には非対応で、利用者の支持を得られなかった。来年3月までは営業を続ける。

 今後、米欧ではATRACの普及を断念、WMAを中心に据える方針。米国では同日から、ウォークマンの新製品を発売したが、ATRACには対応せず、WMA、AAC、MP3に対応させた。音楽管理ソフトも自社製にこだわらず、Windows Media Playerを添付している。

 日本ではソニーが強く、ATRACが一定のシェアを握るため、ただちに方針転換することはないとみられる。ただ、メーカーによる規格争いは、利用者に不自由を強いるとして、世界的に反発が強まっており、今後の対応が注目される。【南 優人/Infostand】

CONNECT
http://www.connect.com/