HP、ブレード・サーバの管理アプライアンスをリリース--データセンターでのサーバの追加や変更が容易に

 米国ヒューレット・パッカード(HP)は2月27日、BladeSystem c-Class対応のブレード・サーバ管理アプライアンス「Virtual Connect」をリリースした。

 Virtual Connectは、データセンターでの使用を想定したブレード・サーバの管理アプライアンスで、昨年6月に発表された。これを事前にデータセンターのネットワーク環境にセットアップしておけば、ブレード・サーバの追加・削除・変更・移動を容易に行うことができると、HPのBladeSystem事業担当バイス・プレジデント、マーク・ポッター氏は説明する。

 現在、多くの企業はデータセンターにスイッチを導入し、サーバとストレージ機器を接続している。しかし、ポッター氏によると、スイッチを1台追加するたびに、管理が必要なハードウェアがネットワークに加わることになるという。一方、もう1つの選択肢である「パッチ・パネル」は、個別に管理する必要はないものの、導入コストが非常に高い。

 また、サーバをネットワークに追加する作業も、非常に時間がかかる。サーバ管理者だけでなく、ネットワーク管理者やストレージ管理者の手も借りなければならない。

 ポッター氏は、データセンターのインフラストラクチャを構築する際にVirtual Connectを組み込んでおけば、そうした手間はかからないと強調する。「いったん物理的なインフラストラクチャを構築すれば、後は基本的に何もしなくてよい。新しいサーバを追加する場合でも、単に接続して電源を入れるだけだ」

 Virtual Connectは、ブレード・サーバとネットワーク・スイッチの間に設置するアプライアンスで、ミドルウェアの機能も有している。価格は、 Ethernetスイッチを使うネットワークに対応するバージョンが5,699ドルから、ファイバ・チャネル・ネットワーク対応バージョンは9,499ドルからとなっている。

 このVirtual Connectと同時に、HPは「ProLiant xw460c」(価格は4,329ドル)の出荷も27日に開始した。同製品は、c-Classブレード製品ライン初のワークステーション・ブレードと位置づけられている。

 IT 調査会社のイルミナータで上級ITアドバイザーを務めるゴードン・ハフ氏は、Virtual Connectについて、HPの言い分をそのまま受け取るわけにはいかないとしながらも、データセンターの課題に対応するユニークなソリューションであることは確かだと評価する。

 「Virtual Connectを導入しても、ネットワークの構成作業をなくすことはできず、すべての作業を終えるには、通常は3〜4週間かかるだろう。しかし、基本的にこの作業を1回だけで済ませられるようにするというのがHPの発想だ」(ハフ氏)

 ガートナーが2月21日に発表した調査データによると、ブレード・サーバ市場でトップ・シェアを維持しているのはIBMだが、HPも力をつけつつあるとしている。x86ベースのブレード・サーバ市場におけるHPの売上げベースのシェアは、2005年の32%から2006年は33%に上昇した。これに対し、 IBMは42%から40%へとシェアを落としている。

 この間、x86ベースのブレード・サーバ市場は大きく成長しており、2006年の全世界での売上高は27億ドルに伸び(2005年は20億ドル)、出荷台数も72万7,000台(同54万8,000台)に増えたという。

(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)

米国ヒューレット・パッカード http://www.hp.com/

提供:Computerworld.jp