IBM、コラボレーション・ツールの新製品と製品間の統合強化を発表
IBM Lotusのゼネラル・マネジャーを務めるマイク・ローディン氏は、今回の強化を、コラボレーション・ソフトウェアの「過去最大の拡大」だと述べた。同氏は、22日の電話会見で「われわれは、IBM Research(IBMの研究部門)を探し回って、多くを製品の統合環境に組み込んだ」と語った。
IBM は現在、ビジネス・ユーザー向けコラボレーション・ツールの提供を目指しており、個人ユーザー向けのWikiやブログのようなソーシャル・ネットワーキング・ツールと、企業環境に移植された同種の技術を区別している。企業にとって、セキュリティと統合は、そうしたソフトウェアを使うかどうかを決定する有力な要素になっている。
この点を考慮して、IBMは今回、企業がスタッフにより多くの共同作業方法を提供できるようにするために、「Profiles」「Dogear」「Communities」「Activities」「Blogs」の5つのオンライン・ツールを組み合わせた「Lotus Connections」を発表した。
ユーザーは、Profilesコンポーネントを使って、特定トピックについて社内の専門家を探し、その人のブログやブックマークなど、さまざまな情報にアクセスできる。またDogearは、ブックマークのタグ付けおよび共有のためのツールだ。一方、Communitiesはワークグループの設置に役立ち、Activitiesはユーザーが共同作業を管理できるWebダッシュボードである。
ローディン氏は、IBM社内でも社員を実験材料にしてConnectionsの全コンポーネントを導入した、と説明している。
ちなみに、Connectionsは今年第2四半期に発売される予定だ。
今回、NotesやOfficeなどのデスクトップ・アプリケーションのほか、「Lotus Domino」や「WebSphere Portal」などのリポジトリに接続する「Lotus Quickr」コンテンツ共有ソフトウェアも発表された。
企業は、従業員間でコンテンツを共有するだけでなく、顧客やパートナーもアクセス可能にできる。Quickrは7月に発売予定。IBMはその後、Quickrを「FileNet P8」エンタープライズ・コンテンツ管理ソフトウェアに接続する計画だ。
従来製品のアップデートでは、4月に「Sametime」インスタント・メッセージング・ソフトウェアの最新リリースを出荷する見通し。「Sametime 7.5.1」は、OfficeおよびOutlookアプリケーションへの緊密な接続、リアルタイム・ビデオ・コンポーネントの提供、さらにはクライアント側でのMac OSサポート、サーバ側でのLinuxのサポートを特徴とする。
IBMは、2月に公開ベータ試験に入り、2007年半ばに出荷される見通しの「Lotus Notes」および「Louts Domino 8」グループウェア製品も発表した。新機能は、Microsoftのフォーマットと競合するOpenDocument Format(ODF)を使ってユーザーが文書を作成・編集・保存できる「IBM Productivity Editors」など。
IBMはまた、独自のオンライン・ポータルを設置したいスタッフ1,000人以下の企業、または同規模の企業内部門をターゲットにしたポータル・ソフトウェア「WebSphere Portal Express 6.0」のアップデートを進めている。
同ソフトウェアは、文書管理、Webコンテンツ管理、プレビルドのサンプルWebサイト、さらに「Lotus Commponent Designer 6.0」を含み、6月30日に提供開始される予定。定価は20ユーザーパック当たり2,300ドルで、登録ユーザーは1,000人まで。
ローディン氏はまた、1995年にIBMに買収されて以来、Lotus部門は幾度となく浮き沈みを経験してきたが、最近は万事うまくいっていると強調した。同氏は、「われわれの部門は非常に健全で、第4四半期の成長は驚異的だった」と語り、Lotusソフトウェアの売上高が前年同期比30%増となったことを引き合いに出した。
(チャイナ・マーテンス/IDG News Service ボストン支局)
米国IBM Lotusソフトウェア http://www.ibm.com/software/lotus/
提供:Computerworld.jp