IPA、4自治体でオープンソースデスクトップ導入の実証実験を開始

 独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)は2006年10月2日、地方自治体のオープンソースソフトウェア(OSS)の活用を推進するための実証実験を4自治体で開始すると発表した。OSSデスクトップ環境を業務に使用するもので、公募で選んだ栃木県二宮町、山形県、大分県、千葉県市川市で実施する。期間は2007年2月まで。

 11件の応募のなかから選択したもので、二宮町では周辺市町と連携しての広域基盤整備、山形県では県庁文書管理システム、大分県は県庁基盤システム、市川市では公共施設予約システムに、それぞれOSSデスクトップを導入。Linux、OpenOffice.org、Firefoxなどをパソコンにインストールして利用する。予算は総額2億円程度の予定。

 IPAは2004年度に学校教育現場、2005年度に自治体でOSSデスクトップ導入の実証実験を実施し、一定の可用性と、コスト削減での有効性を確認。その一方で(1)既存システムとの共存導入・移行の困難(2)地元中小ITベンダー参入を促進できるシステムの必要性(3)継続的で低コストなサポート手法の必要性——などの課題も明らかになったという。

 IPAでは、さらに実証実験を通じてOSS普及の阻害点の抽出と、解決策の模索を行うとしている。【鴨沢 浅葱/Infostand】

IPA
http://www.ipa.go.jp/