OpenOffice.orgスイートが拡張機能システムを刷新へ——Mozillaアプリのバンドルも計画
OpenOffice.orgプロジェクトのNative Language Confederationチームを率いるチャールズ H. シュルツ氏によれば、拡張機能を開発、選択、管理するプロセスが標準化/簡素化され、9月末までにMozillaのWebブラウザ「Firefox」のような拡張機能システムが導入される予定だという。そして、将来的には、OpenOffice.orgにMozillaのメール・クライアント「Thunderbird」とカレンダー・ソフトウェア「Lightning」がバンドルされるとした。
オフィス・ソフトにおける拡張機能は、特に企業ユーザーにとっては不可欠と言えるものだ。企業利用においては、オフィス・ソフトの基本機能に、カスタマイズされた高度なサービスが付け加えられるケースが多いからだ。実際、企業はこれまで、Microsoft Officeの機能を拡張するマクロに対して多大な投資を行ってきた。このことは、Officeマクロの移行ツールが存在するにもかかわらず、企業でOpenOfficeが採用されにくいことの大きな理由の1つになっているとも言われている。
シュルツ氏は、OpenOfficeは、9月中にリリース予定のバージョン2.0.4までに、「StarSuiteのマクロであるStarBasicからJavaまでの各種言語に対応できるような、新しい“決定的な”拡張機能システムが備わる予定である」ことを強調した。
しかし、インターネット上での反応はさまざまだ。ある開発者は、「拡張機能フレームワークがオープンなものになれば、セキュリティ上の脆弱性を突こうという脅威が増大するだろう」との懸念を表明している。実際、Mozillaは過去において、セキュリティ上の脆弱性に対処するために、Firefoxの拡張機能システムを改善しなければならなかったことがある。
また、ある開発者は、「新たな2つのアプリケーションとのバンドルなしでも、OpenOffice.orgはすでに十分肥大化している」と揶揄している。さらに別の開発者は、Slashdotのフォーラムのなかで、「ジェイミー・ザビンスキーのソフトウェア開発の法則にあるように、“あらゆるプログラムは、メールが読めるようになるまで拡大しようとする”ものだ。これは自然な物事の条理にすぎない」と皮肉っている。
シュルツ氏は、ThunderbirdとLightningがバンドルされる時期について、「OpenOffice.orgとStarSuiteにバンドルされる予定だが、そのリリース時期は未定だ」と述べるにとどまっている。また、同氏は「Sun Calendar ServerとExchangeとのコネクタも開発される予定である」とも付け加えた。
同氏は、バージョン3.0の計画についても、「変更の度に定期的にリリースするプロセスに変更したため、3.0のリリースがいつになるかは未定」であると言い、「3.0の唯一の目的は、よりモジュール化を進め、EclipseやNetBeans、MozillaのXULなどのフレームワーク上で動作させることだ」と語った。
(マシュー・ブールスマ/Techworld オンライン英国版)
OpenOffice.orgプロジェクト
http://www.openoffice.org/
「OpenOffice.org Conference 2006」
http://marketing.openoffice.org/ooocon2006/
提供:Computerworld.jp