Intel、ビジネスPC向け「vProテクノロジー」を正式発表

 米Intelは9月7日、新しい同社のビジネスPC向けプラットフォーム「vProテクノロジー」を正式発表。主要メーカーから同技術を搭載したデスクトップPCが発売され始めたことを明らかにした。

 Intelのビジネス・クライアント・グループのバイスプレジデント兼ゼネラル・マネジャー、ロバート・クルーク氏は、vProテクノロジーを搭載したデスクトップPCについて、「セキュリティ上の脅威、所有コスト、リソース割り振り、資産管理に対するITマネジャーのコントロール力が向上する」と語った。

 同社によると、自動車大手のBMW(ドイツ)や保険大手のアイエヌジー・グループ(オランダ)などで、ITスタッフがPCの設定や修理のために従業員の机のところまで出向く回数の減少によって、PCのメンテナンス費と人件費を節減できることを期待して、vProテクノロジーの早期試用に参加しているという。

 Intelは直近の四半期利益が落ち込み、来年中旬までに1万500人の人員削減を行うと5日に発表している。同社では、vProテクノロジーが、以前の無線接続対応ノートPC向けプラットフォーム「Intel Centrinoモバイル・テクノロジー」と同じような成功を市場で収めることを期待している。

 ちなみに、先ごろ同社が投入したホーム・エンターテインメント対応PC向けプラットフォーム「Viiv」を採用したシステムも、まだ消費者への普及が進んでいない。

 vProテクノロジーは、新しいデスクトップPC向けバージョンの「Core 2 Duo」プロセッサに、新しいチップセット「Q965 Express」、Ethernetコントローラ「 82566DM Gigabit Ethernet Network Connection」、運用管理技術「Active Management Technology(AMT)」【の第2世代版】、仮想化技術「Virtualization Technology(VT)」といったハードウェア技術およびソフトウェア技術を組み合わせたバンドル・プラットフォームである。

 現段階では、こうした最新技術のバンドル・プラットフォームはデスクトップPC向けのみである。しかし、Intelは2007年に、新しい「Centrino Duoモバイル・テクノロジー」(開発コード名:Santa Rosa)で、ノートPC向けに同様のコンセプトのバンドル・プラットフォームの提供を開始することを予定している。

 企業ユーザーは7日から、vProテクノロジーを搭載したビジネス・デスクトップPCをHPとゲートウェイから購入可能になった。HPは6日、「HP Compaq dc7700」をvProテクノロジーに対応させたと発表した。

 ゲートウェイも、大企業のIT部門の管理可能性ニーズと中小企業のパフォーマンス・ニーズの両方に対応するように設計されたデスクトップPC「E-4610」をvProテクノロジーに対応させた。IntelのE6300 Core 2 Duoプロセッサ、512MBのメモリ、80GBのハードディスク・ドライブ、MicrosoftのWindows XP Proを搭載したモデルが、939ドルで販売される。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)

提供:Computerworld.jp