NEC、世界最小データ量の認証方式を実用化段階に

 NECは2006年7月18日、昨年7月に発表した世界最小データ量・世界最小計算量のプライバシー保護型認証方式の具体的なアルゴリズムを完成させたと発表した。同方式の実用化が可能であることを実証したもので、実用化フェーズに入り、今後2年以内のサービス・製品への搭載を目指す。

 グループ署名(ある権限を持つグループに所属しているかどうかを認証する技術)と呼ばれる認証方式に属するもの。同認証方式で、鍵生成・匿名認証・特定管理者による個人特定を行うには、特殊な曲線(楕円曲線)上での演算が必要となるが、発表時には発見されていなかった。今回、曲線検索のパラメータを適切にとることによって曲線を実現し、同方式が実用化可能になったという。

 この方式の特徴は、1) 名前やIDなどを用いず、認証対象があるグループに所属しているか確認可能 2) 認証された個人の特定は権限を持つ管理者のみが可能 3) 認証データ長が世界最小で、作成および検証を世界最小の計算量で実現し、携帯電話のような小型機器への応用も考えられる——など。

 従来の認証方式では、オンラインショッピングなどの場合、個人情報をショッピング事業者に渡さねばならなかったが、グループ認証方式であれば不要となる。また、カード会社は管理者として個人を特定できるので、問題なくクレジットカードのサービスに利用できるという。【Infostand】

NEC
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