TorのGUIコンテスト第1フェーズの受賞者が決定

Electronic Frontier Foundation(EFF)が主催するTorのGUIコンテストにおいて、2件のエントリ作品が第1フェーズの選考を通過した。 「総合最優秀賞」を獲得したユーザインターフェイスはCMU Usable Privacy and Security Laboratoryがデザインしたもの、「最優秀美術賞」はApril3rdによるものだった。

Torとは、EFFが開発した匿名通信ツールだ。 このツールは、インターネットアプリケーションに対してプロキシのような働きをするが、ボランティアベースで稼働しているサーバ群による追跡不可能な非集中型ネットワークを介してデータの暗号化とルーティングを行う。

現在、Torは利用可能であるが、対話的ではなく手動で設定を行うアプリケーションになっている。そのため、設定が難しいと感じるユーザもいる。 この点に対処するために、EFFでは、昨年の9月からTorのグラフィカルユーザインターフェイスのデザインコンテストを開催している。 コンテストの規則によって、各エントリ作品はオープンソースまたはその他の同等のフリーソフトウェアの条件下でライセンス化されたものでなければならない。

このコンテストの第1フェーズでは、質の高いエントリ作品6件がEEFに寄せられた。 エントリ作品はすべて公開されており、TorコンテストのWebページからそれぞれのリンクを参照できる。 各エントリ作品は、デザインのモックアップと説明ドキュメントで構成されている。

Michael Kropat氏とMatt Edman氏をはじめとするCMUのチームと、April3rdからはWindowsベースのデザインが提出された。一方、Corinna Habets氏はMac OS Xを、Otto Wyss氏はwxWindowsをそれぞれ選んでデザインを行っている。 受賞者の選定結果のほか、「名士による評価」のパネルには各エントリ作品への詳細なコメントとコンテストの審査基準に基づいた採点結果が公表されている。

現在、このコンテストは、実際に動作するソフトウェア実装を作成する第2フェーズに進んでいる。 第1フェーズの受賞者によるデザインまたはコンセプトを利用しなくても参加することができる。 技術的な注意事項と仕様は、TorのWebサイトから入手できる。また、第1フェーズと同様、エントリする作品は、オープンソースの定義に準拠した条件でライセンス化されていなければならない。 第2フェーズの締め切りは、2006年4月20日だ。

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