Linux勧告ウォッチ - 2005年12月23日(金)

今週は、dropbear、nbd、phpbb2、OpenLDAP、Xpdf、cURL、CenterICQ、digikam、apache2、sudo、カーネル、netpbm、udev、gpdf、kdegraphics、cups、perlに関する勧告が公開された。配布元には、Debian、Gentoo、Mandriva、Red Hatが含まれる。では、楽しい休暇シーズンを!

IPv6のVoIP向けTCP SYNフラッド攻撃対策(パートI)
著者:Suhas Desai

概要

この文書では、IPベースネットワークに対するネットワークベースDoS攻撃について論じ、分析する。このような攻撃はSYNフラッド攻撃と呼ばれている。この手口では、攻撃者は、標的のマシンの偽装アドレスを発信元とするTCP接続要求を大量に送信する。これらの要求に応じてターゲットのホストでデータ構造が生成されてリソース不足を招き、正当なアクセスが拒否されることになる。 ここでは、SYNフラッド攻撃と、提示される既存の対策について詳細な分析を行う。SYNフラッド攻撃を受けると、VoIPのアプリケーションパフォーマンステストの結果は異常なものになる。この攻撃を封じるためにここで示すIPv6の対策は、Moonerv6 Phasesアルゴリズムによってネットワークテスタも一緒に実装するというものだ。Agilent Network Testerも、同じ原理でIPv6サービスをネットワークやセンサネットワークで利用可能にしている。

1. はじめに

この攻撃は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルスイートの弱点を悪用したものである。この問題を解決するには、プロトコルを大幅に変更しなくてならない。このDenial of Service攻撃は、労せずして簡単に引き起こすことができる。現在のところ、攻撃者をつきとめるのは困難である。

この攻撃に対するいくつかの対策が既にほかの人々によって提案され、その一部は実装されてきた。私たちは、IPv6の監視ツールを提案、開発した。これはIP発信元アドレスが偽物か本物かを高確率で分類する。このアプローチでは、偽装IPアドレスからの接続確率プロトコルメッセージを検出し、そのメッセージで開きかけた不正な接続を即座にリセットして、VoIPアプリケーションで処理し直す。

2. 背景

この攻撃を可能にしているTCP/IPプロトコルスイートの特徴について簡単に説明しよう。

2.1. インターネットプロトコル

インターネットプロトコル(IP)は、インターネットの標準ネットワーク層プロトコルで、信頼性の低い、コネクションレスのベストエフォート型パケット配信サービスを提供する。IPは、IPネットワークで使用されるデータ伝送の基本単位、データグラムを定義する。このサービスの信頼性が低いということは、データグラムの配信が保証されないということだ。データグラムの消失、複製、遅延、誤った順序での配信が発生する可能性がある。IPがコネクションレスであるということは、各パケットが他のパケットから独立して処理されるということだ。各パケットはそれぞれ異なるパスを通る可能性があり、配信されるものと途中で失われるものがある。IPがベストエフォート型の配信を提供するということは、リソースを使い果たすか基になっているネットワークが不通になるまで、パケットは破棄されないということだ。データグラムは宛先へルーティングされる。一連のルールによって、ホストとゲートウェイによるパケット処理、エラーメッセージの生成、パケットの破棄などの条件やタイミングが決められている。

記事全文:
http://www.linuxsecurity.com/content/view/121083/49/


Debian
Debian:dropbearパッケージの任意のコード実行に対する修正
2005年12月19日

パッケージが更新された。

Debian:nbdパッケージの任意のコード実行可能性に対する修正
2005年12月21日

パッケージが更新された。

Debian:phpbb2パッケージの複数の弱点の修正
2005年12月22日

パッケージが更新された。

Gentoo
Gentoo:OpenLDAPとGaucheのRUNPATH問題
2005年12月15日

OpenLDAPとGaucheにRUNPATH問題があり、”portage”グループのユーザが権限を昇格できる可能性がある。

Gentoo:Xpdf、GPdf、CUPS、Popplerの複数の弱点
2005年12月16日

Xpdf、GPdf、CUPS、Popplerに複数の弱点があり、任意のコードの実行につながる可能性がある。

Gentoo:cURLのURL処理のオフバイワンエラー
2005年12月16日

cURLにローカルの任意のコード実行の弱点がある。安全でないURL解析によるバッファ・オーバーフローに起因する。

Gentoo:OperaコマンドラインのURLシェルコマンド挿入
2005年12月18日

OperaコマンドラインラッパにURL検査の欠陥があり、任意のコマンドの実行に悪用される可能性がある。

Gentoo:CenterICQの複数の弱点
2005年12月20日

CenterICQにDenial of Serviceの弱点がある。また、ktoolsインクルードライブラリの弱点による任意のコードの実行可能性もある。

Mandriva
Mandriva:digikamパッケージの出力機能の修正
2005年12月16日

Mandriva 2006のDigiKamの出力機能に欠陥があり、写真印刷時にサイズに関係なくスワップが発生するので写真が出力されるまで非常に長い時間がかかる。同様に、メモリ不足でGhostScriptが失敗すると写真が出力されない場合もある。

Mandriva:apache2パッケージのworker MPMの弱点の修正
2005年12月19日

Apache 2のworker MPMのメモリリークによって、リモートの攻撃者が特定の状況におけるコマンドのアボートを通じてDenial of Service(メモリ消費)を発生させる可能性がある。これにより、トランザクションプール用メモリが他の接続に再利用できなくなる。

Mandriva:sudoパッケージの弱点の修正
2005年12月20日

Charles Morrisは、1.6.8p12より前のバージョンのsudoの弱点を発見した。perlのtaintフラグがオフのとき、sudoではPERLLIB、PERL5LIB、PERL5OPTの各環境変数がクリアされないため、一部のローカルユーザは、perlスクリプトでインクルードされているライブラリファイルと同じ名前の任意のライブラリファイルをインクルードおよび実行できる。

Mandriva:カーネル・パッケージの多数の弱点の修正
2005年12月21日

パッケージが更新された。

Red Hat
RedHat:中:netpbmのセキュリティ更新
2005年12月20日

2つのセキュリティ問題を修正した新しいnetpbmパッケージが公開された。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は中となっている。

RedHat:重要:udevのセキュリティ更新
2005年12月20日

セキュリティ問題を修正した新しいudevパッケージが公開された。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は重要となっている。

RedHat:重要:gpdfのセキュリティ更新
2005年12月20日

Red Hat Enterprise Linux 4用の最新のgpdfパッケージが公開された。このパッケージでは、複数のセキュリティ問題が修正されている。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は重要となっている。

RedHat:重要:kdegraphicsのセキュリティ更新
2005年12月20日

最新のkdegraphicsパッケージが公開された。このパッケージでは、kpdfの複数のセキュリティ問題が解決されている。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は重要となっている。

RedHat:中:curlのセキュリティ更新
2005年12月20日

Red Hat Enterprise Linux 4用の最新のcurlパッケージが公開された。このパッケージでは、セキュリティ問題が修正されている。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は中となっている。

RedHat:重要:cupsのセキュリティ更新
2005年12月20日

Red Hat Enterprise Linux用の最新のCUPSパッケージが公開された。このパッケージでは、複数のセキュリティ問題が修正されている。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は重要となっている。

RedHat:中:perlのセキュリティ更新
2005年12月20日

Red Hat Enterprise Linux 4用の最新のPerlパッケージが公開された。このパッケージでは、セキュリティ問題とバグが修正されている。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は中となっている。

RedHat:中:perlのセキュリティ更新
2005年12月20日

Red Hat Enterprise Linux 3用の最新のPerlパッケージが公開された。このパッケージでは、セキュリティ問題とバグが修正されている。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は中となっている。

RedHat:重要:xpdfのセキュリティ更新
2005年12月20日

最新のxpdfパッケージが公開された。このパッケージでは、複数のセキュリティ問題が修正されている。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は重要となっている。

原文