Linux勧告ウォッチ - 2005年11月18日(金)

今週は、awstats、kdelibs、acidlab、AbiWord、uim、ftpd-ssl、phpsysinfo、phpgroupware、lynx、rar、sylpheed、gtk、egroupware、cpio、lm_sensors、gdk-pixpufに関する勧告が公開された。配布元には、Debian、Gentoo、Mandriva、Red Hatが含まれる。

SELinux管理(パートII)
著者:Pax Dickinson

ポリシー・ブール値とはオン/オフの切り替えができるポリシー設定で、これらによって基本レベルでのポリシー設定を実行時に変更でき、変更のたびにセキュリティポリシー全体を再コンパイルしなくて済む。たとえば、サーバで実行しているWebメール・アプリケーションのWebサーバ・プロセスで、メールサーバポートに接続してユーザのホームディレクトリからメールファイルを読み取れることが必要であるとする。セキュリティポリシーにこのような許可を追加してWebメールを実行していない場合のセキュリティまでも低下させるより、ポリシー開発時にブール値を作成すれば、ローカルの管理者は必要な場合のみこれをオンにすることができる。これによって、高度なセキュリティを維持しながら、最小限の権限のみを有効にするという原則が守られる。

実行中のポリシーのポリシー・ブール値とそれらの現在値のリストを参照するには、sestatusコマンドを使用する。このコマンドでは、現在のenforcing(強制)モード、/etc/selinux/configファイルのenforcingモードとその他の情報、およびすべてのポリシー・ブール値とそれらの状態が列挙される。

特定のブール値の現在の状態を表示するには、getseboolコマンドを使用し、状態を表示したいブール値の名前をこれに指定する。ブール値を設定するにはsetseboolコマンドを使用し、設定するブール値の名前、その後にそのブール値を有効にする場合は1、無効にする場合は0を指定する。

EnGarde Secure Linux SELinuxポリシーのブール値の例としては、httpd_webmailとuser_pingがある。httpd_webmailブール値は、前述の例の用途に使用する。user_pingブール値は、一般ユーザがネットワークにpingパケットを送信できるかどうかを指定するものだ。ブール値は、用途に応じて、allowステートメントのような単純なものの場合もあれば、広範なポリシー設定の有効/無効を切り替えるものの場合もある。

このSELinuxの旅ももうすぐ完結する。次回は、ポリシー開発の基本と、ポリシー拒否のトラブルシューティングや新しいSELinuxポリシーの作成と既存のポリシーの変更によって、高度なセキュリティを維持しながらSELinuxシステムの機能を活用する方法について解説する。ではまた次回。それまで十分なセキュリティの維持をお忘れなく。

記事全文:
http://www.linuxsecurity.com/content/view/120700/49/


Debian
Debian:awstatsパッケージの任意のコマンド実行に対する修正
2005年11月10日

パッケージが更新された。
Debian:kdelibsパッケージのバックアップファイル情報リークの修正
2005年11月10日

パッケージが更新された。
Debian:acidlabパッケージのSQL挿入の修正
2005年11月14日

パッケージが更新された。
Debian:AbiWordパッケージの任意のコード実行に対する修正
2005年11月14日

パッケージが更新された。
Debian:uimパッケージの権限昇格の修正
2005年11月14日

パッケージが更新された。
Debian:ftpd-sslパッケージの任意のコード実行に対する修正
2005年11月15日

パッケージが更新された。
Debian:phpsysinfoパッケージの複数の弱点の修正
2005年11月15日

パッケージが更新された。
Debian:phpgroupwareパッケージの複数の弱点の修正
2005年11月17日

パッケージが更新された。
Gentoo
Gentoo:PHPの複数の弱点
2005年11月13日

PHPに複数の問題があり、セキュリティ機能迂回、ローカルDenial of Service、クロスサイト・スクリプティング、PHP変数上書きにつながる。
Gentoo:Lynxの任意のコマンド実行の弱点
2005年11月13日

Lynxに、任意のコマンドのリモート実行の弱点がある。
Gentoo:RARのフォーマット文字列とバッファ・オーバーフローの弱点
2005年11月13日

RARにフォーマット文字列エラーとバッファ・オーバーフローの弱点があり、任意のコードの実行に悪用される可能性がある。
Gentoo:linux-ftpd-sslのリモート・バッファ・オーバーフロー
2005年11月13日

バッファ・オーバーフローの弱点が見つかり、リモートの攻撃者がローカルシステムで昇格した権限を悪用して任意のコードを実行する可能性がある。
Gentoo:Scorched 3Dの複数の弱点
2005年11月15日

Scorched 3Dの複数の弱点により、リモートの攻撃者がgameサーバでサービス拒否または任意のコードの実行を行う可能性がある。
Gentoo:SylpheedとSylpheed-ClawsのLDIFにおけるバッファ・オーバーフロー
2005年11月15日

SylpheedとSylpheed-Clawsにバッファ・オーバーフローの弱点があり、任意のコードの実行につながる可能性がある。
Gentoo:GTK+ 2とGdkPixbufのXPMデコードの複数の弱点
2005年11月16日

GTK+ 2にも含まれているGdkPixbufライブラリにある弱点が、Denial of Serviceまたは任意のコードの実行につながる可能性がある。
Mandriva
Mandriva:lynxパッケージの重大な弱点の修正
2005年11月12日

lynxの”lynxcgi:”URIハンドラで任意のコマンド実行の弱点が発見された。攻撃者が悪質なURLにリダイレクトするWebページを作成し、そこでユーザがlynxを実行した場合に任意のコードが実行される可能性がある。最新パッケージはこの問題に対処するように修正されている。
Mandriva:egroupwareパッケージのphpldapadminとphpsysinfoの弱点の修正
2005年11月16日

最新のパッケージでは、これらのサブシステムの新しいバージョンでこの問題が修正されている。
Mandriva:phpパッケージの複数の弱点の修正
2005年11月17日

パッケージが更新された。
Mandriva:autofsパッケージのLDAPの問題の修正
2005年11月16日

autofsのLDAPライブラリとのリンク方法が原因で、autofsの起動時にsegfaultが発生していた。最新パッケージでは、この問題が修正されている。
Mandriva:acpidパッケージの複数のバグの修正
2005年11月16日

最新のacpidパッケージで複数のバグが修正されている。battery.shではなくlm_battery.shを検索するようにinitscriptが修正された。
Red Hat
RedHat:重大:lynxのセキュリティ更新
2005年11月11日

セキュリティの欠陥を修正した最新のlynxパッケージが公開された。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は重大となっている。
RedHat:低:cpioのセキュリティ更新
2005年11月10日

複数の問題を修正した最新のcpioパッケージが公開された。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は低となっている。
RedHat:低:lm_sensorsのセキュリティ更新
2005年11月10日

安全でないファイルの問題を修正した新しいlm_sensorsパッケージが公開された。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は低となっている。
RedHat:中:phpのセキュリティ更新
2005年11月10日

Red Hat Enterprise Linux 3および4用の最新のPHPパッケージが公開された。このパッケージでは、複数のセキュリティ問題が修正されている。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は中となっている。
RedHat:中:phpのセキュリティ更新
2005年11月10日

Red Hat Enterprise Linux 2.1用の最新のPHPパッケージが公開された。このパッケージでは、複数のセキュリティ問題が修正されている。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は中となっている。
RedHat:重要:gdk-pixbufのセキュリティ更新
2005年11月15日

複数のセキュリティの問題を修正した新しいgdk-pixbufパッケージが公開された。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は重要となっている。
RedHat:重要:gtk2のセキュリティ更新
2005年11月15日

2つのセキュリティ問題を修正した新しいgtk2パッケージが公開された。Red Hatセキュリティ・レスポンス・チームの評価では、この更新のセキュリティ重要度は重要となっている。

原文