オレゴン州の2大学にGoogleからお返し

Google社が今日あるのは、オープンソースのソフトウェアと開発によるところが大きい。コミュニティへの感謝の意を込めて、同社はオープンソースソフトウェアの開発/システム管理/学習での尽力に対し、オレゴン州立大学(OSU)とポートランド州立大学(PSU)の2校に35万ドルを贈ることに決めた。

オレゴン州のこの2大学は、オープンソース教育施設の充実度で群を抜いており、この分野で最も進んだカリキュラムを組んでいる。Google社はその点に大いに感銘した、と同社オープンソースプログラムマネージャのChris DiBonaは言う。「現在の限られた予算でこれだけ実りある活動ができているのですから、さらに資金を投じることでいっそうの進展が期待できる、と考えました」

「この世に確実にオープンソースソフトウェアが生み出され、確実にオープンソース開発者が育つようにしたいという願いがあります。まあ、わが社の優秀な社員になってくれるかもしれませんしね。この業界で競争力を維持するには、オープンソースソフトウェアが最も有効な武器だと信じています」

2大学とオープンソースソフトウェアコミュニティの間には、すでに密接な協力関係がある。たとえば、OSUのオープンソース研究所(OSL)の学生は、Debian、Mozilla、Gentoo、Drupal、その他の有名オープンソースプロジェクトに参加し、システム管理者やソフトウェア開発者として実地の経験を積み重ねている。「Google社からの今回の資金提供で、その関係はいっそう強まるでしょう」と、OSL副所長Scott Kvetonは言う。

PSUは、OSUから北へ2時間半、ポートランドのダウンタウンにある。この大学でも、オープンソース教育は学部学生の段階から始まる。工学・コンピュータ科学部(Maseeh College)に講座を設けているほか、ポートランド州航空宇宙協会が主催する「オープンハードウェア/ソフトウェアによるアマチュア観測ロケット計画」を後援している。同校のWebサイト運営、電子メールシステム、その他にオープンソースが利用されていることは言うまでもない。また、PSUにはポートランド企業推進組織の本部も置かれていて、ここにはビジネスアプリケーションプロバイダのCompiere社などがメンバーとして加わっている。

「PSUでやっていることとOSUでやっていることは、実にうまくマッチします」とPSUのオープンソフトウェア主任教授Bart Masseyは言う。「研究でも教育でも大きなことが進行していますし、ビジネス向けの開発もやっています。2大学の力を合わせれば、世界レベルでも競争できますよ。ぜひ協力していきたいですね」

今回提供される資金は、来年に始まる共同オープンソース技術計画に使われることになる、とGoogle社も大学も口をそろえる。2大学は、オープンソースソフトウェア/ハードウェアの開発を促進し、カリキュラムを充実させ、世界のオープンソースプロジェクトを支えるコンピューティングインフラストラクチャの確立を目指す。大学(研究活動)と地域(オープンソース/オープンテクノロジ、ベンチャ資本、起業支援)の橋渡しをすることも、目標の1つである。

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